今年になっていろいろおかしい菅野智之 (c)朝日新聞社
今年になっていろいろおかしい菅野智之 (c)朝日新聞社

 プロキャリア6年で最多勝2回、最優秀防御率4回、最多奪三振2回、そして沢村賞2回。2018年のクライマックスシリーズではノーヒッターも達成した。ジャイアンツ、いや日本を代表する大エースに上り詰めた菅野智之は、ケガとは無縁で勝ち星を運んでくれる“優等生”だったが、今年はどうも様子がおかしい。

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 5月21日に腰痛で登録抹消され、19日間の二軍調整を重ねたが、菅野が故障で出場選手登録を外れるのは、2016年8月6日に左足親指に血豆ができたとき以来。“無事これ名馬”だった菅野に異変が起きた背景には、一部で確執も報道されている伯父・原辰徳監督、ずっと胸に秘めているメジャーの存在があるという。

「高橋由伸前監督が結果を出せず、原辰徳監督の再登板は早い段階で決まっていました。原が監督になれば、菅野のメジャー挑戦は不可能となる。NPBでは抜群の結果を出していたため、これくらいかな、という感じで過ごし始め、結果的に太ってしまって腰痛を発症したと見られています」(巨人担当記者)

 ただ、菅野はその後しばらくして、また強いやる気を見せるようになったという。前述の担当記者は言う。

「ここへきて、猛烈にトレーニングを行っています。巨人は首位に立っていますけど、絶対的な力がない。今年、日本一になれなければ原監督の去就問題も浮上する。そうなれば、菅野のメジャー挑戦の可能性が再燃する、そのための準備を始めたともっぱらです」

 年々、体が大きくなっていき、一部では「肥満」とも陰口をたたかれる始末だが、それもメジャーを目指す上では悪いことではない。「メジャーリーグの先発投手は多少、体重があっても動ければ良い」とはMLBの日本在住スカウト氏。メジャーの先発投手事情をこう説明する。

「パワー系打者多数のメジャーで投げるには、投手も力負けしないことが重要です。そのためには体重をボールに乗せる必要があります。かつてメジャーで活躍した野茂英雄や、田中将大(ヤンキース)、ダルビッシュ有(カブス)なども、身体は大きく、体重はけっこうあります。

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菅野、そして原監督の思惑