中日・ビシエド (c)朝日新聞社
中日・ビシエド (c)朝日新聞社

 連日の猛暑日が続いた8月。セ・パ両リーグでは今季も月毎に「大樹生命月間MVP賞」が選出される。今回は大混戦の8月のセ・リーグ月間MVPを、9月11日の発表を前に予想したい。

【写真】「絶望的な守備力」だった残念な助っ人とは 

【セ・リーグ投手部門】
ブキャナン(ヤクルト

 来日3年目の助っ人右腕・ブキャナン(ヤクルト)が8月に大変身。5試合に登板して3勝0敗、防御率1.64の好パフォーマンスを披露し、月間MVP初受賞のチャンスが到来した。

 7月を終えた段階では1勝6敗、防御率6.71と振るわなかったが、8月6日の阪神戦(神宮)で6回2失点(自責1)と好投して勝ち投手になると、続く12日のDeNA戦(神宮)でも勝ち星は付かなかったが6回2失点と試合を作ってチームの勝利に貢献。

 そして、18日の中日戦(神宮)で8回を4安打無失点に抑えて月間2勝目を挙げると、さらに25日の阪神戦(神宮)では6回1失点の好投で3勝目をマーク。中5日で登板した31日の中日戦(ナゴヤD)では自身に白星は付かなかったが、7回を2失点に抑える好投。8月に登板した5試合すべてでチームは白星を挙げた。

 ブキャナンと同じく8月に月間3勝を挙げた投手は今永昇太(DeNA)、菅野智之(巨人)、桜井俊貴(巨人)、大瀬良大地(広島)がいるが、菅野が防御率2.31でブキャナンに及ばず、桜井(防御率4.23)と大瀬良(防御率5.63)は不安定。唯一、今永がブキャナンを上回る防御率1.44を残したが、登板数4試合で投球回数25イニングが規定投球回以下。9月1日に7回1/3を2失点で白星を挙げたが“1日”及ばなかった。規定投球回数を重視するならば、ブキャナンの方を評価したい。

【セ・リーグ打者部門】
ビシエド(中日)

 昨年8月にセ・リーグ記録を塗り替える月間47安打をマークしたビシエド(中日)が、今年の8月も打率.381と快音連発の活躍を見せた。

 安定してヒットを積み重ねた。8月は1日から12日まで11試合連続安打をマークすると、1試合の小休止を経て、14日から再び連日ヒットを重ねて25日まで10試合連続安打。22日の巨人戦(ナゴヤD)、23日の広島戦(ナゴヤD)では2試合連続猛打賞をマークした。

 出場25試合で月間本塁打は4本に終わったが、97打数の37安打で月間リーグトップの打率.381に加え、計20打点をマークした。

 ライバルになるのは、ビシエドを上回る月間42安打を放って打率.365、4本塁打、12打点の好成績を残した西川龍馬(広島)か。

 さらに月間9本塁打を放ち、打率.301、26打点をマークした岡本和真(巨人)の他、打率.361、3本塁打、16打点の鈴木誠也(広島)、打率.351、6本塁打、16打点の雄平(ヤクルト)、打率.318、8本塁打、22打点の福田永将(中日)などの面々も候補に挙がる。

 ビシエドが月間MVPを受賞すれば、2016年3・4月、2017年5月、2018年8月に続いて4度目。4年連続の受賞となれば中日では落合博満(1988~91年)以来になる。