報告数1万人超えの「百日咳」 成人後の再発が急増…決定的な理由

連載「ちょっとだけ医見手帖(山本佳奈医師)」

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回復までに要する期間は2、3カ月と厄介だ(写真/GettyImages)
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回復までに要する期間は2、3カ月と厄介...

 日々の生活のなかでちょっと気になる出来事やニュースを、2人の女性医師が医療や健康の面から解説するコラム「ちょっとだけ医見手帖」。今回は「急増する大人の百日咳」について、NPO法人医療ガバナンス研究所の内科医・山本佳奈医師が「医見」します。

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 やたらと咳の強い風邪、続いていませんか。その咳、もしかすると、百日咳かもしれません。

 今年の8月11日時点で、百日咳の累計報告数は1万446人。実は、昨年の報告数(暫定値)の1万1,190人を上回る勢いで増え続けています。
 
 百日咳は、幼い子供がかかるイメージがあるかもしれません。その通り、小児が中心となりかかる病気です。新生児や生後6カ月未満の乳児が発症すると、死亡する恐れもあります。そのため、日本をはじめ世界各国で予防のためのワクチン接種が生後3カ月から行われています。

 けれども、このワクチンの百日咳予防効果は時間の経過とともに弱まっていくことが報告されており、昨年の報告数のうち、23%を20歳以上の成人が占めていたのでした。

 そこで、今日は大人に増えている百日咳についてお話したいと思います。

 百日咳とは、百日咳菌が飛沫(ひまつ)感染や接触感染により気道に感染することによって、約7日から10日前後の潜伏期間を経て発症します。風邪症状から始まり、次第に咳の回数が増え、激しくなります。その後、短い咳が連続的に起こり、息を吸うときにヒューっと笛のような音が出る発作を繰り返すようになります。また、嘔吐(おうと)を伴い、発作的に咳が出るようにもなります。このような激しい咳の発作は2~3週間続いたのち、次第に落ち着きますが、その間も、時折発作的に咳が出ることがあり、回復までには2~3カ月ほどかかります。
 
 最も感染力があるのは、発症してから2週間です。マクロライド系の抗菌薬の投与によって治療することが可能であり、抗菌薬の内服開始から5日もすれば感染性は失われてしまいます。

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