ということは、価格が上がり過ぎなければ注目され続けることになります。逆に言えば、値上がりすれば関心は薄れてしまいます。鉄道の駅に近いマンションと同じになってしまえば、環境で多少劣っても便利さを優先する人が多いからです。

 交通便の悪さを補うのは、「高環境」+「値ごろ感(価格の手ごろさ)」ということになるのです。大きな儲けは期待できないが、値崩れしにくいマンションでもある。このように考えます。

【リセールバリュー】 マンション購入にあたっては、将来リセールするときの価値を購入時に想定する、若しくは考慮しておくということが大事です。永住するつもりという人も、いつなんどき、売却の必要が生じるか分からないからです。そのとき、できるだけスムーズに、かつ高く売りたいと考えるのが普通の感覚であり、少しでも価値の保存ができる物件を望まない人はいません。

 売却の際、大きな弱点になるのが駅からの距離です。将来価値(リセールバリュー:RV)を決定する要素は、(1)立地条件(利便性と環境。マクロ的な人気度)、(2)スケール(存在感)、(3)外観・玄関・空間デザイン、(4)建物プラン(共用施設、間取り、内装や設備など)、(5)ブランド、(6)管理体制です。この中で一番比重が高いのは(1)の立地条件なのです。立地さえ良ければ建物は何でもいいという単純なものではないのですが、大きな要素であることは確かです。逆に、どんなに素晴らしい建物でも立地条件の弱点を補うことはできません。

 本物件をこの条件に照らすと、建物分野の(2)~(6)は文句なしです。しかし、立地条件の(1)には上述のような問題(懸念)があります。

 また、稀少価値の高い土地かどうかの観点で検討することも大事ですが、本物件は希少価値の極めて高いマンションと言えましょう。

 最も大事な要素は「価格」です。価値に見合わない高値で購入(高値掴み)すれば、将来価格は期待外れになるからです。

次のページ
晴海フラッグは例外なのか?