佐藤二朗「棒読みの妻とセリフを覚える理由」 爆笑ハプニングも…

連載「こんな大人でも大丈夫?」

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 個性派俳優・佐藤二朗さんが日々の生活や仕事で感じているジローイズムをお届けします。今回は「セリフの覚え方」です。

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 前回のコラムで、俳優の「セリフ覚え」について書いたが、今回もこれについて書く。2回続けて同じテーマなんて、またもや担当K氏に怒られそうだが、違うんだK氏。待ってくれK氏。K氏。ケーシー高峰。そんなことを言ってる場合ではないし、担当はもちろんケーシー高峰さんではない。2回続けて同じテーマで書くのは、決して書くことがないからではないのだ。嘘だ。書くことがないのだ。いま舞台の稽古真っ最中で、その舞台は9月1日から世田谷パブリックシアターで本番を迎える三谷幸喜さん作・演出の「愛と哀しみのシャーロック・ホームズ」という演目で、今さりげなく宣伝を挿入した訳だが、そしてさほどさりげなくもなかった訳だが、とにかくこのテーマが今の僕にとっては一番タイムリーなのよ。ゆるちてK氏。ケーシ、もういい。

 どうやってセリフを覚えるか、を問われたら、「一生懸命に覚える」と身も蓋もない答えを言うようにしているとは前回も書いたが、もちろん決まりなんてないし、役者それぞれにやり方があると思う。「書いて覚える」という女優さんもいたし、「相手役のセリフをカセットテープ(←古)に吹き込んで覚える」という先輩俳優もいた。

 ちなみに僕はよく、妻に手伝ってもらう。相手役のセリフを妻に読んでもらうのだ。この時に注意してるのは、なるべく妻に棒読みで読んでもらうこと。相手役の俳優さんがどんなトーン、言い回しでセリフを言うか分からない(特に稽古というものがないドラマや映画などの映像の場合)ので、妻にはなるべく棒読みで相手役のセリフを言ってもらう。棒読みをさせたら古今随一のウチの妻は、まさに適任と言える。

 少し話がズレるが、妻にセリフ覚えを手伝ってもらうと、意外なことが判明する。ここからの文は妻が読んだら佐藤家に嵐がやってくるので僕も命懸けで書くが、妻はわりと、いや、かなり漢字が読めない。裁判のドラマの相手役をやってもらった時、妻は「訴訟」を「そこう」と読み、僕は椅子から転げ落ちそうになった。正確には転げ落ちた。

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