12年ぶりにプロ野球タイ記録となる3人の退場者を出した大荒れの一戦となったが、パ・リーグ審判員として29年、NPB審判技術指導員を8年つとめた山崎夏生氏は、試合をこう振り返った。

「(13日の試合は)西武の投手陣のコントロールが悪すぎただけでしょう。わざと死球を投げた投手なんて一人もいないと思います。今の時代は選手同士の交流が深いですからね。(報復行為は)私はないと思います。かつてのプロ野球では少なからずあったと思いますがね。現役時代、私はそういう空気感を感じることもありました。選手名は言えませんが、外国人選手が多かったように思います。チームによっては“死球のサイン”もあったと聞いたこともあります。でも私たちは審判なので、特に声をかけることもできませんので、流れに任せていましたね。ああいう荒れた試合こそ、審判は冷静でいなくてはいけません。乱闘の最中でも選手同士の間に入らないように、少し遠くから引いた目線で見ることが必要です。だから昨日の審判は佐竹コーチの行動をよく見ていたと思います。ナイスジャッジでした」

 翌14日の試合前には、西武・辻監督とオリックス・西村徳文監督が会談し、無事に和解が成立。退場処分となったオリックス・佐竹コーチには厳重注意と制裁金15万円の処分が下された。西武対オリックス戦は、今季残り5試合。後味の悪い試合にはならないように期待したい。(文/AERA dot.編集部・岡本直也)

※成績は8月14日終了時のもの