今大会では国学院久我山の「一本」が話題に(撮影/写真部・東川哲也)
今大会では国学院久我山の「一本」が話題に(撮影/写真部・東川哲也)

 8月6日に開幕し、連日熱戦が行われている全国高校野球選手権大会。今年も星稜の奥川恭伸ら注目選手を中心に大会が盛り上がりをみせているが、甲子園を彩る要素が他にもある。それは、スタンドで観戦する野球部員、チアダンス部員、ブラスバンドによる応援曲だ。

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 各学校が工夫を凝らした応援はどれも魅力があるが、試合の流れを変える「魔物」を呼び出さんばかりの「魔曲」は、高校野球ファンなら誰もが知る存在。最も有名なのは「魔曲」という概念を生み出すキッカケを作った智辯和歌山の「ジョックロック」だが、その他にも奇跡の大逆転などを演出した「魔曲」といっていい応援曲も存在する。

 そこで今回は、独断と偏見ではあるが独自で「魔曲トップ10」のランキングを選出させて頂きたいと思う。前述の智辯和歌山の「ジョックロック」はあまりに有名なため、殿堂入りとし、ランキングからは除外した。(※応援曲は複数の高校が使用している場合もあるため、代表的な高校を一つ選んだ)

10位:「サスケ」埼玉・花咲徳栄

 第99回大会(2017年)で、埼玉県民の悲願であった夏初制覇を果たした同校を後押し。優勝の原動力となった強力打線の中軸を任された西川愛也(現・埼玉西武)ら、主にチームの核となっている打者が打席に立った際に使用され、相手投手を威圧。1968年にテレビアニメ化された同名作品の曲を上手く応援に取り入れるなど、選曲にセンスがうかがえる。

9位:「タイガーラグ」秋田・金足農業

 伝統的に秋田県代表の高校が使用しているジャズの名曲。それぞれの高校でアレンジが違うのも面白いが、この応援を一躍有名にしたのはなんといっても昨年の“金農フィーバー”。前回大会のハイライトシーンといっても過言ではない準々決勝の近江戦、サヨナラツーランスクイズが決まった時も流れていたのはこの曲だった。

8位:「ワッショイ」奈良・天理

 高校野球ファンならずとも、野球好きなら一度は耳にしたことのある応援曲。アルプススタンドから「ワッショイ!」の掛け声とともにこだまするこの曲は相手にとって脅威だろう。夏4度の準優勝を誇る広陵(広島)の中井哲之監督も、選手時代に天理戦で敗れた際、この曲に追い込まれたとの思いがあり、広陵にもオリジナル応援曲の作成を依頼したほどだ。

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沖縄代表の応援曲といえば…