松浦もプレーのスピードでは負けていない。敦賀気比戦の3回には3つのアウト全てがショートゴロだったが、1つ目は二遊間の打球をセカンドの前でカットしてさばき、残りの2つは正面の前のゴロをダッシュしてランニングスローという軽快な動きを見せて観客を沸かせた。また、4回には内野安打で出塁して三塁まで進むと、三本間に挟まれながら相手の挟殺プレーをかいくぐる見事な走塁を見せて生還している。パンチ力もあり、高校生としては理想的なリードオフマンと言えるだろう。

 坂下も守備、走塁は高レベルだが、それ以上に目立つのが奈良大会で5本塁打を放ったパワフルなバッティングだ。165cmと小柄だが、そのフルスイングは迫力十分。八戸学院光星戦では第1打席でライト前ヒットを放ったが、サウスポーの変化球に対して体をしっかり残し、右肩が開かずに鋭く振りぬいた火の出るような当たりだった。高校卒業後も小さくまとまることなく、その強打をさらに伸ばしてくれることを期待したい。(文・西尾典文)

●西尾典文(にしお・のりふみ)/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。

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西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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