赤色と黄色の組み合わせが大胆な「懐かしの新潟色」(手前)と三次新潟色(奥)(写真/PIXTA)
赤色と黄色の組み合わせが大胆な「懐かしの新潟色」(手前)と三次新潟色(奥)(写真/PIXTA)
最近の新潟地区で定番だった二次新潟色(手前)と標準カラーともいえる湘南色(奥)(写真/PIXTA)
最近の新潟地区で定番だった二次新潟色(手前)と標準カラーともいえる湘南色(奥)(写真/PIXTA)
電車から気動車まで幅広く使用され、新潟地区ではおなじみの一次新潟色(写真/PIXTA)
電車から気動車まで幅広く使用され、新潟地区ではおなじみの一次新潟色(写真/PIXTA)
窓まわりの黄色が鮮やかな弥彦色(写真/PIXTA)
窓まわりの黄色が鮮やかな弥彦色(写真/PIXTA)

 かつて首都圏の東北本線、高崎線、中央本線などで活躍した115系電車。各地で置き換えが進んだいま、JR東日本では新潟地区で最後の活躍をみせている。しかも、全部色が異なる電車となって……さあ、カラフルな国鉄電車に乗りに行こう!

【黄色が鮮やかな「弥彦色」】

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■首都圏でもおなじみだった115系

 1963年に登場した「115系」は、東海道本線で多く使用された113系の派生形ともいえる電車だ。車体は片側3扉で、車内設備はボックスシートとロングシートを組み合わせたセミクロスシートで、113系と同じものだ。

 115系は、寒冷地や勾配路線で使用されることを前提としたため、耐寒耐雪仕様の装備に加え、下り勾配で機械的なブレーキに頼らず、主電動機(走行用モータ)を発電機としてブレーキ力を得る「抑速ブレーキ」を装備しているのが大きな特徴だ。

 逆の見方をすれば、コストの掛かるこれらの仕様を省略したのが113系ともいえる。これらの装備は上越線などで威力を発揮。かつては上野~長岡間の長距離普通列車にも使用され、車体に雪を付けた115系が上野駅にも出入りしていた。

 その後、派生形として新製時から冷房を取り付けた300番代、シートピッチを拡大し耐寒耐雪装備を強化した1000番代、耐寒耐雪装備を省略した2000番代、片側2扉とした3000番代などが登場している。

 新潟地区には1978(昭和53)年から、70系電車の置き換え用に1000番代が投入されている。これによって、上野から新潟まで115系で乗り通すことも可能となった。

 2019(令和元)年8月現在、新潟地区で最後の活躍をするのは、3両編成が7本の21両だ。実はこの115系、新製当初から新潟に配置されたものではなく、新潟駅の高架化の際にATS-Pが導入されたため、それを装備していた長野地区からの転属車にすべてが置き換えられている。

 新潟地区の115系の特徴は、なんといっても塗色にある。新潟地区の電化によって、1962(昭和37)年に普通列車用として京阪神地区から70系電車が転属した際、元の塗色はぶどう色2号(焦げ茶)だったが、翌年にひまわり国体が開催された際に、ひまわりをイメージする黄5号と赤2号(懐かしの新潟色)に塗られたのが新潟の独自塗色の始まりだ。

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もう間もなく、7編成すべてが違う色に!