「風っこ そうや」は、JR北海道の「北海道の恵み」シリーズ車両を併結した4両編成。中間の2・3号車に「びゅうコースター風っこ」、前後に「道北 流氷の恵み」(キハ40-1720)と「道央 花の恵み」(キハ40-1780)を連結して運行されている。

 ペアを組む「北海道の恵み」シリーズ車両は、普通列車などに用いられているキハ40形気動車のリニューアルで誕生した車両だ。2018年3月から宗谷本線や釧網本線などに順次投入されており、今回の2両のほか「道南 海の恵み」と「道東 森の恵み」とともに定期普通列車などで活躍中。「風っこ そうや」ではフリースペースとして開放されているほか、荒天時の利用も考慮されているので、乗車の際にはこちらもチェックしてみたい。

「風っこ そうや」の運転日は9月8日(日)までの土休日。スケジュール前半の8月12日までは稚内~音威子府間で運転され、後半の8月17日(土)から9月8日までは、旭川~音威子府間でそれぞれ1日1往復が運行される。

 運行中の車内や各停車駅では、特産品の販売や観光イベント、乗車証明書プレゼントなどのお楽しみも。音威子府駅構内「常盤軒」の駅そばは、ぜひ体験してみたいとっておきのご当地グルメだ。

 車窓美でも知られる宗谷本線だが、音威子府以北と以南とではロケーションが異なる。前半運行の稚内~音威子府間では、抜海付近で展開する利尻富士と日本海のコラボがハイライトだった。

 後半運行の旭川~音威子府間では、大雪山の展望や塩狩峠の通過などをチェックしたい。また、全線の6割弱にあたる士別~幌延間では天塩川の右岸ぞいとなり、ときに渓谷美が車窓を彩る。

 なお、全車指定席のため、乗車には乗車券のほか指定券(おとな520円、こども260円)が必要。早めの確保をおすすめしたい。

 開放感抜群の列車に乗って、沿線観光を交えながら、北辺のローカル線をたどってみてはいかがだろうか。 (文/植村 誠)