ラグビー日本代表はW杯で勝ち上がれるのか? (c)朝日新聞社
ラグビー日本代表はW杯で勝ち上がれるのか? (c)朝日新聞社

 9月20日に開幕するラグビーワールドカップに向けて、日本代表が絶好のスタートを切った。7月27日に岩手県釜石市で行われたフィジー代表戦は、チームが目標に掲げる「ワールドカップベスト8」の実現に期待が大きく高まる快勝だった。

 フィジー代表戦は国際統括団体「ワールドラグビー」主催の環太平洋諸国による国際大会「パシフィック・ネーションズカップ」の第1戦。日本代表は2月から候補選手による合宿を重ね、海外チームとの練習試合も行ってきたが、この試合が今シーズン最初のテストマッチ(国代表同士の公式試合)だった。

 会場となった釜石鵜住居復興スタジアムは、2011年の東日本大震災で津波被害を受けた小学校と中学校の跡地に立つ。岩手県と釜石市は「世界中から頂いた支援への感謝を伝え、復興の姿を発信」「“スポーツの力”による地域の創生」をワールドカップ開催の意義に掲げ、同スタジアムは今回のワールドカップで使用される12会場の中で唯一新設された競技場だ。

 地域の想いが詰まったスタジアムでプレーする意味を胸に刻んだ日本代表の選手たちは、試合開始直後から狙いすましたプレーで優位に立つ。開始3分にPGで先行すると5分後には初トライ。ワールドラグビーの世界ランク9位(日本は11位)と格上の相手から前半だけで4トライを奪った。日本代表は終始リードを保ち、34-21で8年ぶりにフィジー代表から勝利をあげた。

 フィジー代表は昨年11月にフランス代表から初勝利。今年7月には、先住民マオリの血を引く選手で構成され、今シーズンのニュージーランド代表のBチーム的位置付けの「マオリ・オールブラックス」に62年ぶりに勝つなど、ワールドカップでも台風の目となりうる存在のチームだ。

 そのフィジー代表に攻守ともに上回る内容で勝っただけに、過去8大会のワールドカップでは夢と終わったベスト8がより現実味を帯びてきた。

 今年日本で開かれるワールドカップには20カ国・地域が参加し、5チームずつの4組に分かれて総当たりの1次リーグを戦う。各組の上位2チームが決勝トーナメントに進出。つまり、日本代表が目標に掲げるベスト8とは、1次リーグを突破して決勝トーナメントに進むことを意味する。

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ホスト国が決勝Tに進めなかったの一度のみ