ここまで聞くとイメージが一転、過酷な仕事に思えてくる。それでも、この仕事が「楽しい」という美緒さん。最大の魅力は「頑張った分だけ結果がでる」ことだという。

「お客さんとの会話からビールの注ぎ方一つとっても、回数を重ねることで細かい気遣いが身につき、それが結果として多くのお客さんに買ってもらうことにつながります。そして何より、球場では本当にいろいろな人とお話しができるんです。ビールを注いだ後にお客さんから『ありがとう』と言ってもらえたり、常連の方から『前にも美緒ちゃんからビール買ったよ』と話しかけてもらえるのは本当にうれしい。興味のある人にはぜひ、この仕事をおすすめしたいですね」

 観客の歓声やどよめきなど、球場にはテレビ観戦では味わえない生の雰囲気がある。その醍醐味を生み出しているのは、彼女たちなのかもしれない。(AERA dot.編集部/井上啓太)