媒体を変えつつ現代で細々と水泳大会は継続しているようだが、トップアイドルが出演していた過去のような盛り上がりは見る影もない。グラビアで人気が出たタレントでさえ、最近では水着仕事を封印する傾向にある。

「グラビアで男性人気を集めるのは手っ取り早いのですが、ある程度売れたら水着の仕事は早く止めたいというのが今のタレントたちの本音。例えば綾瀬はるかさんのように、人気女優となった今、ことあるごとに過去の水着グラビアが“お宝写真”として引っ張り出される。セクシーさで勝負することは悪いことではないはずですが、さまざまな役を演じる女優として、固定化されたイメージがついていることで配役が限定的になりがちですし、同業者からの悪口の対象になることもあります。最近だと吉岡里帆さんがグラビア仕事を『嫌だった』と語り、人気グラドルの小倉優香さんも水着仕事は限定的になることを宣言しました。彼女たちのようにあえて宣言しなくても、ある程度人気が出てきたら事務所の方針で水着仕事は断るようになる人も多いです。芸能界全体的に、水着グラビアの仕事は縮小傾向にあるように思います」(前出の元芸能プロ関係者)

 さらに、前出の城下氏も 「当時は、テレビ局がマスメディアとして絶大な力を持っていた時期。多少、ムリな企画でも通せていたわけです。『水泳大会』の歴史を見ると、ある意味、テレビというメディアの役割の変化が見てとれるとも言えます」と分析する。

 時代が変わった今、「芸能人水泳大会」は遠い夏の憧憬として、そして日本の芸能・テレビ史の一部として語り継がれていくのだろうか。(今市新之助)