※写真はイメージです(GettyImages)
※写真はイメージです(GettyImages)

 長雨が続いた7月、ようやく関東地方の梅雨が明け、「令和の夏」が始まった。そんな時、昭和の夏の風物詩だった「芸能人水泳大会」を思い出す読者がいるかもしれない。当時、テレビを席巻していた人気アイドルたちがプールサイドで水着姿になり、男女混合での騎馬戦や水上相撲などさまざまな競技に取り組む姿はお茶の間で大いに受けた。歴史を紐解くと、1970年にフジテレビで放送された「紅白スター対抗水泳大会」が元祖だという。以降、同様の番組を各局が制作するようになり、80~90年代にはすでに夏のテレビの定番コンテンツとして認知されるようになっていった。

【画像】少年たちが興奮した河合奈保子の伝説のボディ

 当時を知る元芸能プロの関係者は言う。

「今で言うグラビアアイドルのような存在ではなく、女性で言えばピンクレディーや松田聖子、小泉今日子などのトップアイドルが出演していた。男性も西城秀樹などのトップクラスから、からたのきんトリオなどのジャニーズタレント、当時お笑いブームで人気絶頂だったビートたけしも大暴れしていました。男女が入り乱れてさまざまな競技に挑戦するだけでなく、女性アイドルが水着姿で持ち歌を歌うを行うなど、普段とは違った一面が見られました。その頃の青少年たちはが、憧れのアイドルたちの水着姿をどれだけ楽しみにしていたことか」

 今ではAKB48グループなどのトップアイドルでもグラビア誌や写真集で露出度の高い水着を着る時代になり、こうした“お楽しみ”もなくなってしまった。一方、「芸能人水泳大会」で定番になっていたのが、ヒートアップの末に女性の水着が取れてしまう「ポロリ」シーンだ。「プールサイドで男女のトップアイドル同士が絡み合う姿を見るだけでも興奮した」(同)のに、上半身が露わになる一瞬の過激ショットを楽しみにしていた少年たちは多かった。

 一方で、多くの局が参戦したことで過当競争に陥り、企画はどんどん過激化していく。ゴールデンタイムの放送にもかかわらず、「ポロリ」を定番化させるために売れないタレントやセクシー女優が「ポロリ要員」として配置されるなど、露骨な演出も見られるようになっていった。それと並行して当時、素人の投稿写真系の雑誌などが隆盛し、撮影現場に盗撮カメラ小僧が殺到。彼らがアイドルたちのあられもない姿を雑誌に投稿することで、一般読者の手元にも「お宝」画像が残るようになっていた。

次のページ
グラドルの台頭