ヤクルト・マクガフ (c)朝日新聞社
ヤクルト・マクガフ (c)朝日新聞社

「TOKIO……」のロボットボイスに続いて、神宮球場のスピーカーから流れる懐かしのテクノサウンド。それが新・守護神登場の合図だ。

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 今から40年前のイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)のヒットナンバー『テクノポリス』とともにマウンドに上がるのは29歳の右腕、スコット・マクガフ。今年が来日1年目ながら、インフルエンザのために離脱した石山泰稚に代わり、現在はヤクルトのクローザーを務めている。

「ここまでは良い仕事ができていると思うけど、もっと良くなると思っている。常に上を目指しているからね」

 そう振り返る前半戦の成績は、セ・リーグトップタイの43試合に登板して4勝1敗3セーブ、12ホールド、防御率2.93。もっとも、最初から大事なポジションを任されていたわけではない。開幕後、しばらくはリードされている場面、もしくは同点での登板がほとんどで、いわゆる「勝ちパターン」で投入されるケースは少なかった。

 今シーズンのヤクルトは、野手の外国人は来日9年目のバレンティン1人だが、投手は救援のマクガフとハフに加え、先発ではブキャナン、スアレスと計4人を数える。投手でも野手でも同時に登録できるのは3人までなので、投手に関しては常に1人は出場選手(一軍)登録を外れることになる。

「スアレスが(先発ローテーションに)入ってきた時に、どうしようかって悩んでいたこともあったんだけどね……」と話すのは、ヤクルトの小川淳司監督。ブキャナン、スアレスともに開幕には間に合わなかったが、ブキャナンに続いてスアレスが一軍に合流するタイミングで、指揮官は外国人枠の再編を余儀なくされていた。

 ところが、ブキャナンはスアレスの合流直前に打ち込まれて登録を抹消され、5月6日の阪神戦(神宮)で今季初白星を手にしたものの、その後は4連敗を喫して現在はファームで調整中。4月25日の巨人戦(神宮)で来日初勝利を挙げたスアレスも、5月15日の広島戦(マツダ)で上半身のコンディション不良を訴え、戦列を離れたままである。

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