■ストイックな父・真澄氏のDNAを受け継いだ?

 こうした真っ当な意見に加えて、ファンからの相談に対する回答にもMattの人間性が垣間見れる。テレビ情報誌の編集者は言う。

「先日、インスタグラムでピアノを演奏する動画を投稿したのですが、その後、コメント欄でファンの女性が息子をピアノ男子にしたいと相談したんです。これにMattは、『好きという気持ちを絶対につぶさないでのびのびとやらせてください。やりたくない時にはやらなくていい』『ピアノの先生の子供がピアノの先生になる必要はないし、野球選手の子供が野球選手になる必要もない。サラリーマンの子供がサラリーマンになると決められているわけでもない』と、なかなか含蓄のあるアドバイスをしていました。出始めた頃は奇抜なビジュアルの二世タレントという話題が先行し、叩かれることもありました。が、SNSや様々なメディアで彼の考え方、美学を知るうちに、徐々に好きになってきた視聴者も多いのではないでしょうか。口調も穏やかで、育ちや人柄の良さも感じられますし、着実に好感度は上がっていると思います」

 TVウォッチャーの中村裕一氏は、Mattの魅力についてこのように分析する。

「彼の父である桑田真澄さんも、現役時には投球前にボールに話しかけたり、マウンドでプレートに肘をつける儀式のようなことをしたりと、今思えばズバ抜けて個性的でした。そんな父のDNAを受け継いでいるわけですから、タレントとして頭角を現すのは時間の問題だったと思います。また、あの若さで人生を達観しているようなコメントも、お父さんのストイックな生き方に影響を受けているのかもしれません。多くの人が気になっているルックスですが、まぶたの深い彫りはメイクのようにも見えますし、アプリなどの加工技術が発達した今、写真だけでは真偽のほどを判定することは非常に困難。そこも彼のミステリアスさを増幅させています。いずれにせよ、今、最も『ひと目でいいから実物を直接見てみたい』人物であることは間違いないでしょうね」

美を追い求めながらも自由に生きるMatt。いつしか、本当に「Matt」という唯一無二のポジションを築き上げるかもしれない。(丸山ひろし)

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丸山ひろし

丸山ひろし

埼玉県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集業務に従事。その後ライターに転身し、現在はウェブニュースや、エンタメ関連の記事を中心に執筆している。

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