その後の会見でも「ヤクルトはぜひこのファンを大事にして、戦ってもらいたい。最下位なんてけしからん。小川(監督)、しっかりせい!」とゲキを飛ばし、意気軒昂なところを見せた。

 雨のウイークデーにも関わらず、2万7727人もの観衆が詰めかけたこのOB戦。スタンドの盛り上がりや、参加した選手たちのうれしそうな顔を見る限り、大成功と言っていいだろう。

 2007年10月7日の“引退試合”で「また会いましょう!」とファンに誓った言葉を13年越しに実現した古田は、「これだけお客さんも入って喜んでいただければ、また5年後、10年後にやるんじゃないですか。その時に向けて『10年後、また会いましょう!』っていう感じで、しっかり調整してきます」と話したが、果たして次は何年後になるだろうか……。まずはこの日の素晴らしい思い出を、しっかり記憶に留めておくことにしよう。(文・菊田康彦)

(文中敬称略)

●プロフィール
菊田康彦
1966年生まれ。静岡県出身。大学卒業後、地方公務員、英会話講師などを経てフリーライターに転身。2004~08年『スカパーMLBライブ』、16~17年『スポナビライブMLB』出演。プロ野球は10年からヤクルトの取材を続けている。