続いて他のメンバーから「非モテキャラは続けられるの?」と聞かれ、山里さんは「たった1人、好いてくれる人に出会っただけで、それまでのモテなかった気持ち、経験がここにあるので」と胸に手を当てて、「めちゃくちゃモテる人はずるいなって思う気持ちはなくならないと思います」と生真面目に答えた。

 それを超えるすごい幸せをつかんだではないか、という質問には、「わからないですけど、今日、やってみて、『いい恋してるね』みたいなことを言い出したら、俺は終わったなと思って、メガネを置いて帰ります」と答えていた。最後は「根底のクズは変わってないのね」とか「これからは、既婚者目線で毒を吐いてほしいなあ」とか、メンバーたちからの励ましの言葉が相次いだ。

 制作サイドの「これからも見てね。山ちゃんは変わらないから」という声が聞こえてくるようだった。それほど「山里の毒」が番組のカギになっていること、それが消えると思われることへの危機感、その両方がヒシヒシと伝わってきた。

 と思ったところで、徳井さんから「俺、ホンマにもー、(山里は)闇営業に加担してたって言おうと思ってる」という発言が。えっ、何? 

 徳井さんも山里さんも吉本興業所属だから、タイムリーな話題ではある。するとやはり吉本興業の馬場園さんが「行ってたよね、確かに。ピンで行ってた。しずちゃんは行ってない」と引き取った。「行ってなきゃ、7億円も貯まらないよね」と続けたのはYOU。

 笑えるやりとりで、非モテ山ちゃんを失う番組の危機感が薄まった。さすがの連携プレイ。

 そして7月13日現在、8話までが配信されている。緊急企画後に収録されたものかどうかはわからないが、山ちゃんから、「いい恋してるね」発言はまだ出ていない。

 8話後の「山チャンネル」冒頭で、山ちゃんは「スタイリストさんが用意してくれたメガネを買った」話をしていた。デザイン性の高いメガネで、徳井さんも似合うと言ってくれた、と。

 蒼井さんに見せるんだなー。山ちゃん、いい恋してるね。(矢部万紀子

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矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

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