果物をまるごと食べると血糖値が下がる!? 感染症医が食べ物と健康の関係を伝授 (2/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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果物をまるごと食べると血糖値が下がる!? 感染症医が食べ物と健康の関係を伝授

連載「ワインは毒か、それとも薬か」

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岩田健太郎dot.#ヘルス
岩田健太郎(いわた・けんたろう)/1971年、島根県生まれ。島根医科大学(現島根大学)卒業。神戸大学医学研究科感染治療学分野教授、神戸大学医学部附属病院感染症内科診療科長。沖縄、米国、中国などでの勤務を経て現職。専門は感染症など。微生物から派生して発酵、さらにはワインへ、というのはただの言い訳なワイン・ラバー。日本ソムリエ協会認定シニア・ワインエキスパート。共著に『もやしもんと感染症屋の気になる菌辞典』、『ワインは毒か、薬か。』など

岩田健太郎(いわた・けんたろう)/1971年、島根県生まれ。島根医科大学(現島根大学)卒業。神戸大学医学研究科感染治療学分野教授、神戸大学医学部附属病院感染症内科診療科長。沖縄、米国、中国などでの勤務を経て現職。専門は感染症など。微生物から派生して発酵、さらにはワインへ、というのはただの言い訳なワイン・ラバー。日本ソムリエ協会認定シニア・ワインエキスパート。共著に『もやしもんと感染症屋の気になる菌辞典』、『ワインは毒か、薬か。』など

100%フルーツジュースを子どもが飲みすぎると肥満が増えるからやめるよう、公衆衛生の専門家から推奨がでている。しかし、反論もあるという(写真:Getty Images)

100%フルーツジュースを子どもが飲みすぎると肥満が増えるからやめるよう、公衆衛生の専門家から推奨がでている。しかし、反論もあるという(写真:Getty Images)

ワインは毒か、薬か。

岩田健太郎,石川雅之

9784023317741

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■100%フルーツジュースは子どもを肥満にさせる?

 米国には有名な食事のガイドラインがある。最新版は「2015-2020 Dietary Guideline」というが、健康な食生活のなかに「果物をできればまるごと食べること」と推奨している。

 さらにさらにびっくりすることがある。果物をミキサーに入れて作ったフルーツジュース。果物が健康にいいんだったら、当然フレッシュなフルーツジュースも健康にいいだろうと思うではないか。混ぜ物のない100%ジュースなら絶対大丈夫だと思うのが普通だろう。

 ところが、そうではないのだ。なんと、100%フルーツジュースを子どもが飲みすぎると肥満が増えるからやめるよう公衆衛生の専門家から推奨がでているのだ(Wojcicki JM and Heyman MB. Am J Public Health. 2012 Sep;102(9):1630–3)。驚きだ。

 フルーツジュースは単に「液体の果物」なのではない。そこからは果物の食物線維が取り除かれ、糖分が濃縮されている。砂糖入り飲料はだめ、果物はよい、でも果物をジュースにするとだめ、ってことだ。複雑だ。


 さらに話をややこしくするのは、この見解には反論もあるということだ。100%フルーツジュースを飲んでも子どもは肥満にならないという総説や(Crowe-White K et al. Crit Rev Food Sci Nutr. 2016;56(5):871–84.)、大人だとむしろ体重は下がるという研究すらある(Pereira MA, III VLF. Journal of the American College of Nutrition. 2010 Spring;29(6):625–9. 1)。

 さあ、困った。われわれは一体何を信じたら良いのだろう。ぼくたちはどうすればよいのか。

 このように、同じテーマについて複数の研究が存在し、それぞれの研究が異なる結論を発表している、というのはよくある話だ。特に飲食物の研究の場合、物理学の研究や基礎医学の研究と異なり、厳密に被験者にきっちり「こういう生活をしろ」と何年も強制することはできない。


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