シェノール・ギュネシ監督から「香川は長期間試合に出ておらず、コンディションが整っていないし、小さなケガもいくつか抱えている」と体調不備を指摘され、先発は4試合のみ。現地メディアからも「アンタルヤスポルとのデビュー戦での3分間2ゴール以外は大きなインパクトを残していない」と厳しい見方をされていて、トルコで評価を上げられなかったのは残念ながら認めざるを得ない事実だろう。

 日本代表でも20代半ばの南野拓実(ザルツブルク/オーストリア)や18歳の久保の台頭に押されつつある印象で、“30歳になった香川真司”を強烈アピールできる材料が乏しいのも確か。それでも、彼はまだ戦えるだけの潜在能力を備えた選手のはず。川島や長谷部も30代突入後に選手としてのキャリアをあらためて開花させていることを考えると、香川にできないことはない。やはり重要なのは、そのような環境を見つけることだ。多少は条件面を譲歩しても前向きなチャレンジができる場所に赴いた方が良さそうだ。

 欧州サッカー界の『30代定年制』を覆すためにも、本田、岡崎、香川の“旧ビッグ3”を筆頭に、日本人選手たちがコンスタントにプレーできる場を見出し、結果を残すことが肝要だ。新シーズン開幕までのチーム融合を考えると、決着が8月にずれ込むのは好ましくない。少なくとも今月中には決断すること。それを彼らには強く求めたい。(文・元川悦子)