こうした中、やはり気がかりなのは、わずか1年前まで『日本代表・ビッグ3』と言われた本田・岡崎・香川の現状だろう。

 本田はご存知の通り、この1年間をオーストラリアAリーグのメルボルン・ビクトリーでプレー。事実上のカンボジア代表監督も兼務するという二足の草鞋(わらじ)生活を続けていた。だが、目標に掲げている1年後の2020年東京五輪でのオーバーエージ枠参戦を視野に入れるとオーストラリアはレベルが低すぎる。そこで再び欧州に活躍の場を移し、ラスト1年で勝負を賭ける考えだ。移籍先候補としては8年ぶりのイタリア・セリエA復帰を果たしたブレシアなどが挙がっているが、今のところ進展はない模様。本人は6月の都内でのイベントで「メルボルンの後は強いチームに行こうと思っていた。時間はかかるかもしれないが、諦めずに見つけたい」と発言。長期戦を覚悟して、納得できる環境を模索するつもりだという。

 岡崎にしてもレスター退団後、6月のキリンチャレンジカップ2連戦とコパ・アメリカに参戦。1年ぶりの日本代表復帰戦となったコパのウルグアイ戦では最前線でしっかりとタメを作り、攻撃の起点になるなど、まだまだ国際舞台で戦えるところを示した。2013-2014、2014-2015シーズンのドイツ・ブンデスリーガ・マインツでの2年連続2ケタゴール、2015-2016シーズンのレスターでのイングランド・プレミアリーグ制覇など輝かしいキャリアを持つ岡崎だけに、欧州残留チャンスは十分あると見られるが、問題は33歳という年齢だ。

「欧州では30歳を超えた選手を『向上心やモチベーションがない選手』と見る傾向が強い。自分もその偏見に悩まされてきた」と36歳の川島もコメントしていたが、岡崎にしても同様だろう。彼自身のサッカーに対するガムシャラさと貪欲さは年齢を重ねるほど増しているものの、外野の見方は違う。そこが1つのハードルになっているのは確かだ。

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年齢、年俸の高さがネックに