テハンノのでのウエルカム大学路のイベント風景
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「SMOKE」の一場面。舞台はたった3人の登場人物だけで進んで行く
「SMOKE」の一場面。舞台はたった3人の登場人物だけで進んで行く

 東京・四ツ谷の「韓国文化院ハンマダンホール」などで7月6日まで、「2019韓国ミュージカルフェスティバルin東京」が開かれた。これは昨年に続いて2回目の開催で、韓流ドラマやK-POPに比べると一般にはあまり知られていない韓国ミュージカルを日本でも広めようと韓国観光公社が主催。フェスの舞台では韓国の人気ミュージカルのダイジェスト版の公演や、ミュージカル俳優のトークショーなどが行われ、連日満員のにぎわいを見せた。

【写真】世界最大級の韓国カルチャーの祭典「KCON 」はすごかった!

 その韓国ミュージカル、今年に入ってからだけでも「あなたもきっと経験する恋の話」や「30才の頃に」などが日本でも次々上演されていて、ファンも増えているらしい。そのファンたちは韓国ミュージカルを略して「韓ミュ」と呼ぶそうだが、韓ミュならではの魅力は、どこにあるんだろうか? ブロードウェイやロンドンのミュージカルとの違いは? 自ら韓ミュに魅せられ、韓国ミュージカル「あなたの初恋探します」、「SMOKE」、「最終陳述」と、相次いで日本語版を制作するプロデューサーの後藤まどかさんに、その魅力の程をうかがっってみた。

■名作『オペラ座の怪人』がきっかけ

「韓国のミュージカルの魅力? それこそグランド・ミュージカルと呼ばれる大作から、小劇場で上演される学生主体のものまで、韓国では実に数多くのミュージカルが毎日上演されていて、これが韓国ミュージカルだ!と一言ではとても表せません。ただ、韓国ではミュージカルが日常により根付いています。幼稚園の頃からお遊戯のようにして園児たちがみんなで歌って踊ったりと、ミュージカル教育も積極的に行われています。その大きなきっかけは、2001年に初演された『オペラ座の怪人』あたりでしょうか。最初は海外のミュージカルと契約を交わして上演していたんですね。今ではミュージカルは韓国社会に根付き、韓国ドラマを見ていると、若い恋人同士が『週末どうする?』『○○○のミュージカルに行こうよ』なんて会話する台詞が当たり前に出てきたり、週末になると劇場の当日券売り場で、カップルや男性のグループが並んでチケットを購入する姿なども見かけます。次々オリジナル作品が制作され、国や企業も助成金を出して育成しているんです」

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とにかくシナリオが面白い