砂糖が虫歯の原因になる、というのは以前から知られていた。その他にも糖尿病、心臓発作、痛風、そして肥満が砂糖入りソフトドリンクと関連していると報告されている(Malik VS et al. Diabetes Care. 2010 Nov;33(11):2477–83.1, de Koning L et al. Circulation. 2012 Apr 10;125(14):1735–41, S1., Fung TT et al. Am J Clin Nutr. 2009 Apr;89(4):1037–42.1, Choi HK et al. JAMA. 2010 Nov 24;304(20):2270–8.1, Choi HK and Curhan G. BMJ. 2008 Feb 9;336(7639):309–12, Hu FB. Obes Rev. 2013 Aug;14(8):606–19, Schulze MB et al. JAMA. 2004 Aug 25;292(8):927–34)。

 過度の砂糖入り飲料の飲み過ぎが健康によくないのは、明らかだ。課税で価格を上げることによって消費者の購買意欲を小さくするというのはたばこについても行われている正攻法だから、まっとうなアプローチといえるかもしれない。もっとも、アメリカの一部で行われたこのような施策は「やりすぎだ」との反対意見もあるようだが。

 さて、ここからちょっと注意が必要だ。確かに砂糖の入ったソフトドリンクは健康によくないかもしれない。しかし、それは「砂糖が入っている食べ物は全部悪」を意味するわけではない。

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岩田健太郎

岩田健太郎

岩田健太郎(いわた・けんたろう)/1971年、島根県生まれ。島根医科大学(現島根大学)卒業。神戸大学医学研究科感染治療学分野教授、神戸大学医学部附属病院感染症内科診療科長。沖縄、米国、中国などでの勤務を経て現職。専門は感染症など。微生物から派生して発酵、さらにはワインへ、というのはただの言い訳なワイン・ラバー。日本ソムリエ協会認定シニア・ワインエキスパート。共著にもやしもんと感染症屋の気になる菌辞典など

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