最後に紹介するのは敦賀駅です。「日本海」と「トワイライトエクスプレス」が現役だった頃、上りの列車は敦賀駅でEF81形からEF81形へ、という同形式の機関車同士の交換が見られました。これは、敦賀に機関区があって、機関車の運用がここからの上り(大阪行き)で始まり、大阪到着後は次の下りで青森まで行き、さらに次の上りで敦賀に戻ってくる、ということです。

 背景はさておき、同形式同士の交換とはいえ敦賀には標準色のローズピンクと、「トワイライトエクスプレス」専用色の2種類のカラーがありました。この「トワイライト」色の機関車は多い時で6両あり、連結器に衝撃を和らげる装備が追加されていました。「トワイライト」は必ず専用色が入っていましたが、「日本海」はどちらがやってくるか分かりません。何も知らない乗客は、京都や大阪で降りるときに機関車の色が違うことに驚いた人もいたかもしれませんね。(文/松原一己)

○松原一己(まつばら・かずみ)大阪府枚方市出身。デザイン表札やステッカー制作を手がける日本海ファクトリー代表。趣味で行っていたトレインマークのトレースが高じて、ウェブサイト「愛称別トレインマーク事典」を運営する。著書に『特急マーク図鑑』(天夢人)、『特急・急行 トレインマーク図鑑』(双葉社・共著)。