清原和博氏 (c)朝日新聞社
清原和博氏 (c)朝日新聞社

 プロ野球の世界は輝かしい。満員の観衆の前でプレーし、歓喜と賞賛の中、一般サラリーマンの生涯年収をわずか数年で稼ぎ出す。それだけに、そこにたどり着くことができる人間は、ひと握りである。しかし、その世界に身を置きながら、これまで不祥事と言える問題を起こしてしまった選手、元選手たちは少なくない。

 近年で最も大きなニュースとなったのが、清原和博である。高校時代からスター街道を歩み続けた男だが、2008年限りで現役生活から引退した後、薬物疑惑騒動を経て、2016年2月2日、自宅マンションにて覚せい剤取締法違反(所持)現行犯で逮捕。裁判では、懲役2年6カ月、執行猶予4年の有罪判決が下された。

 この清原の薬物騒動で、ある意味で清原以上に話題となったのが野村貴仁だろう。現役時代はオリックス巨人、さらにメジャーのブリュワーズなどで活躍したが、引退後の2006年に覚せい剤取締法違反で逮捕された。同じく覚せい剤で逮捕された元選手としては、江夏豊がいる。現役時代の輝かしい実績は言わずものがな。引退後の1993年に覚せい剤所持の現行犯で逮捕され、懲役2年4カ月の実刑を受けた。

 彼らのように「逮捕」されずとも、社会的な“問題”を起こした選手は多い。現役では、ダルビッシュ有が高校3年生の時に喫煙が発覚、さらに日本ハムに入団したプロ1年目の沖縄での春季キャンプ中にも、まだ未成年ながらパチンコ店で喫煙している姿を週刊誌に撮られ、千葉の選手寮へ強制送還された末に謹慎処分を受けた。同じく未成年の喫煙では、西武の相内誠が2014年に飲酒・喫煙、今井達也が2018年にパチンコ店での喫煙で、それぞれ球団から対外試合出場禁止などの処分を受けた。また、松坂大輔も西武時代の2000年9月、当時スピード違反での免許停止中ながら駐車違反を犯し、その後に球団職員の身代わり出頭も明らかになり、道路交通法違反で書類送検された。

 球界の盟主であるはずの巨人も不祥事が多い。最近では2015年に発生した野球賭博問題が球界全体に大きな影を落としたが、その中で福田聡志、笠原将生、松本竜也の3投手が無期失格処分を受けて契約解除。翌2016年には高木京介の賭博関与も判明し、1年間の失格処分を受け、同じく契約を解除された。さらに2017年には、山口俊が東京都内の飲食店で酒に酔って右手を負傷して夜間診療へ向かったが、泥酔状態で病院の扉を破壊。止めに入ろうとした警備員にも怪我を負わせ、シーズン終了まで出場停止および総額1億円以上の罰金と減俸処分となった。

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「人生はやり直せる」