でも、その根拠はいい加減だったり、根拠となるデータが針小棒大だったりすることが多い。メーカーの宣伝文句を鵜呑みにするのは危うい態度だ。

 テレビや雑誌の健康食品の広告なんて、あてにしてはいけない。大切なのは第三者が検証して、そのような健康利益を確かめているかだ。医学の世界では、査読(さどく)付の論文がそれを(ある程度)担保している。

 審査付きの科学論文だ。EBMとはこのような医学的な営為である。これからそのEBMを駆使してこれからワインと健康の関係を追求していく。

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岩田健太郎

岩田健太郎

岩田健太郎(いわた・けんたろう)/1971年、島根県生まれ。島根医科大学(現島根大学)卒業。神戸大学医学研究科感染治療学分野教授、神戸大学医学部附属病院感染症内科診療科長。沖縄、米国、中国などでの勤務を経て現職。専門は感染症など。微生物から派生して発酵、さらにはワインへ、というのはただの言い訳なワイン・ラバー。日本ソムリエ協会認定シニア・ワインエキスパート。共著にもやしもんと感染症屋の気になる菌辞典など

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