パンチのあるトークネタを持っている平沢だが、一方で生き様にかっこ良さを感じるところもある。2015年に結成された「ニガミ17才」は、交流のあったボーカル&ギターの岩下優介に誘われて加入したというが、彼女は元々女優として活動していた。バンドはもちろん楽器を演奏したこともほとんどなかったが、「やるなら本気でやりたい」と本格始動する前に契約していた事務所を辞めたという(「Mikiki」2018年6月5日)。また、岩下が言葉や音を発信するため、自分がパイプ役になれるようにという気持ちもあったという(「Skream!」2018年6月号)。

■業界関係者の目にとまって女優として再デビュー?

 楽器が弾けないにも関わらず、潔く事務所を辞めてミュージシャンに。その迷いのない決断力が凄い。また、学生時代はいじめに遭っていたこともあるという。

「3歳で子役デビューし、小中学生の頃からモデルの仕事をしていた平沢ですが、目立たないようにしても学校では“出る杭”と見なされ『いじめになっていった』とバラエティ番組で明かしていました。しかし、『行かないと負けな気がする』と思い登校し続けたそうです。子供の頃にそんな挫折経験があった平沢ですが、バンドに加入した経緯といい、メンタルの強さや向上心の高さが感じられます。だからこそ、バラエティ番組でもフルスイングできるのではないでしょうか」(テレビ情報誌の編集者)

 TVウォッチャーの中村裕一氏は、そんな彼女の今後についてこう分析する。

「YouTubeはもちろん、SNSやトラックメイカーソフト、サブスクリプションサービスなど、表現の選択肢や可能性が無数に広がった今は、何がきっかけになってブレイクするか、はっきり言ってわかりません。彼女の場合、もともと持っていた個性と才能が、音楽活動を通じて見事に開花したのだと思います。今後の活動についても、あくまでも音楽がベースだとは思いますが、奇想天外なキャラクターに目をつけた映画関係者やドラマ関係者から声をかけられ映画やドラマに出演したりと、再び女優として返り咲くことも十分あり得ることだと思います」

 可愛らしいビジュアルに加え、独特の感性と雰囲気で注目を集めている平沢あくび。今後も、その稀有なキャラクターを生かしテレビへの露出が増えそうだ。(丸山ひろし)

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丸山ひろし

丸山ひろし

埼玉県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集業務に従事。その後ライターに転身し、現在はウェブニュースや、エンタメ関連の記事を中心に執筆している。

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