人体の健康に悪影響を及ぼす主な作用は、ヒドロキシラジカルによるとされている。ラジカルの別名がフリーラジカルだ。ラジカルとは不対電子、つまり電子が埋まっていなくなった原子や分子だ。ところが、活性酸素のことを「ラジカル」と呼ぶこともあるので紛らわしい。

 活性酸素にはフリーラジカルの活性酸素(イオン)とそうでない活性酸素がある。ヒドロキシラジカルはフリーラジカルかつ活性酸素で、過酸化水素はフリーラジカルでない活性酸素だ。

 活性酸素は人体のいろいろな物質に化学反応を起こして人体細胞を傷害し、がんや血管病変の原因になっていると考えられている。

 最近、注目されているレスベラトロール(読みづらい!)もポリフェノールの一つだ。レスベラトロールには女性ホルモン様の作用があることも知られている。

 ワインが健康によい、という意見がある。その根拠として、ワイン内のレスベラトロールの作用によるものだ、という説がある。これについては後述する。

 やはり抗酸化作用を持つと言われるビタミンEやビタミンCもフェノール類です。あと、チョコレートにもポリフェノールがたくさん入っている(後述)。

著者プロフィールを見る
岩田健太郎

岩田健太郎

岩田健太郎(いわた・けんたろう)/1971年、島根県生まれ。島根医科大学(現島根大学)卒業。神戸大学医学研究科感染治療学分野教授、神戸大学医学部附属病院感染症内科診療科長。沖縄、米国、中国などでの勤務を経て現職。専門は感染症など。微生物から派生して発酵、さらにはワインへ、というのはただの言い訳なワイン・ラバー。日本ソムリエ協会認定シニア・ワインエキスパート。共著にもやしもんと感染症屋の気になる菌辞典など

岩田健太郎の記事一覧はこちら