チリ戦のスタートは相手の対策もあってか快速FWの前田大然が先発したが、[4ー4ー2(4ー2ー3ー1)]の右サイドハーフはベストのA代表であれば堂安律が主力を担うポジションであり、[3ー4ー2ー1]をテストしたキリンチャレンジ杯ではそのまま堂安が右のシャドーに入った。エルサルバドル戦の途中からは久保建英がA代表デビューしたが、ここに新たに三好が加わればさらに競争は活性化される。

 そもそも堂安も東京五輪に参加資格のあるU-22の世代であり、久保は言うまでもない。目標の1つに来年の東京五輪があるにしても、そこを究極目標にしているようでは競争に割り込むことすらできないが2列目の右サイドハーフだ。三好にその資質があるかどうかはウルグアイ戦でよりはっきりして来るはず。その三好も含めてU-22の選手にとってコパ・アメリカは貴重な経験を積む場であることは確かだが、経験を積むためにプレーではなく勝負の場として、チリ戦を払拭するようなパフォーマンスをウルグアイ戦で期待したい。(文・河治良幸)

●プロフィール
河治良幸
サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを担当。著書は『サッカー番狂わせ完全読本 ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)、『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)など。Jリーグから欧州リーグ、代表戦まで、プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHKスペシャル『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の"天才能"」に監修として参加。8月21日に『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)を刊行