川崎フロンターレのアカデミー出身である三好は攻撃的なサッカーを掲げる風間八宏監督(現・名古屋グランパス)のもとで「止める・蹴る」のスキルとビジョンを磨き、さらに期限付きで移籍したコンサドーレ札幌ではミハイロ・ペトロヴィッチ監督の“ミシャ式”とも呼ばれる連動性の高いパスワークを駆使した攻撃スタイルの明確なアクセント役としてブレイクした。

 そして現在は横浜F・マリノスでアンジェ・ポステコグルー監督が植え付ける“アタッキングフットボール”の中心的な存在として躍動している。3つの異なるアクション型の攻撃的サッカーを体得してきた選手であり、多彩なコンビネーションの受け手にも出し手にもなれる特異なタレント性を備えている。

 コパ・アメリカに関しては「もちろん球際の部分は戦わなければいけない」ことを前置きしながら「日本には日本の戦い方があると思いますし、できるだけ自分なんかは接触しないように判断できればいいシーンというのも多いと思うので、そこは頭を使いながら」と語っていたが、チリ戦ではそうした特性を随所に見せており、その中で得た手応えがウルグアイ戦に生かされる部分も少なからずあるだろう。

「ウルグアイはまた違った特徴があるので、そこは整理して、ただ入りは勢いを持って行くことが相手以上に必要だと思います」

 そう語る三好は今回のコパ・アメリカで初めてA代表に招集された選手で、周囲からは東京五輪を目指すU-22の一人と見なされる向きも強いだろう。しかし、本人は「A代表として来ているのでアンダーという認識ではない。そこは本当に勘違いしてはいけないと思いますし、大きな大会なので日本代表として責任を持って戦いたい」ときっぱり言い切る。

 チリ戦も途中出場ながら雰囲気に飲まれることなく堂々としたプレーを見せていたが、そのことについて聞くと「この舞台に立てるので、そんなことで機会をフイにしたくないですし、そこはこの舞台を楽しむぐらいの気持ちを持ってやっているつもりです」と返答してきた。

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チリ戦の惨敗を払拭する活躍を期待