面白い!と絶賛するものではなかったが、リスナーに面白がってもらえていることは伝わってきたから、それだけでも上出来だろう。さらに発見したのは、あまり関西弁を使わないこと。もしかしたら戦略かもと思ったのは、「女優」の彼女もいるからだ。

 ミツカンのWEB上にあるドラマ仕立てのCMに、出演している。高橋一生演じる「〆野さん」という謎の男が主役。彼女は「糖質オフしようと思っているのに、ついつい食べてしまう」めぐみ役。100%標準語で、器用に演じている。

 ちなみにこのCMはシリーズになっていて、〆野さんも他の出演者もいい味で面白いからオススメ。という話はさておき、指原莉乃さんの話に移る。

 私が指原さんの力のほどを実感したのは、「バチェラー・ジャパン」(Amazonプライム・ビデオ配信)だった。若い人に評判だからと見たところ、シーズン1は超つまらなかった。2になって今田耕司&藤森慎吾の吉本興業ペアに加え、彼女が「ナビゲーター」として参加したら、グッとよくなった。

 詳細は省くが、恋愛リアリティー番組に出演する女性たちのズルさ、計算高さを彼女が口にして、痛快さが上がった。今田&藤森の「女性を見る目のなさ」も指摘していたから、溜飲を下げた女性も多かったはずだ。とにかく賢く、抜群のトーク力が際立っていた。

 で、ファーストサマーウイカさんだ。指原さんの地位にとって代わる素質十分なことは、すでにご理解いただけたと思う。そこで、彼女の今後についてなのだが、狙うべきは、Netflixの人気番組「テラスハウス」だと思う。

「バチェラー」と同じ恋愛リアリティー番組で、山里亮太さんが出演者たちにツッコミを入れる副音声が人気だ。しかし山里さん、蒼井さんとの結婚で、少しツッコミにくくなる可能性アリと思う。そこで、彼女の出番。関西弁でガンガンいく女子。出演者たちに容赦なく向かっていくのだ。

 最初の頃は、チンチンにすべるかもしれない。でも大丈夫。山里さんが、前と同じように、ジェントルにフォローしてくれるに違いない。

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矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

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