僕が子どものころは「一億総タレント時代」と言われたんだけど、僕はいま「一億総専門家時代」、「一億総芸人時代」だと思うんですよね。

「ジャーナリスト芸人」をもう少し解説すると、彼らの出演はインターネット番組が多い。だからネットも駆使するし、テレビのスタジオ収録にも携帯を持ち込んで本番中にツイッターの反応を見たり、実際にツイートしたりしています。これって実はタレントとか芸能人はほとんどやらないこと。僕らはテレビでもラジオでも「竹山はこう思う」って自分の考えを伝えるけど、ネットの反応をあまり気にしません。瞬発的な言葉の選び方とか切り口とか、そのコメントが後にどうなるかも含めてタレントとしてのテクニックだったりするわけです。「ジャーナリスト芸人」は、よく「炎上しちゃう」って気にしているなと思います。

 彼らは頭がものすごく良いからこそ、注目されてテレビにも出演するようになるんだけど、「死に役」ができないという面もありますね。テレビをいろんな立場で楽しんでいる人がいるとか、だからこそ面白いものを作らなきゃという使命感みたいなものは持っていないから、ちょっとした演出とか、自分の考えと違うことを番組がやるのを嫌う傾向があります。僕らは番宣のために俳優さんが来ていたら、その人が目立つように存在を消したり、話を聞いたりするもします。

 そこはプロレスなんですよ。プロのレスラーとして見せることを考えるし、負け試合もしますよってこと。お笑い以外の「ジャーナリスト芸人」の人は、みんなガチンコで来るから、怪我というか炎上をするわけです。

 話が短くてわかりやすい人は続くけど、プロデューサーが使いにくいと思った人は切られちゃうのがテレビの常。でもそういう人たちは「テレビは視聴率が取れる人しか使わない」とか「テレビは嘘をつくから嫌いだ」と批判する人が多いなと感じます。ネットを中心にやっている人は、だいたいテレビが敵だし。

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女医→タレントになった人 本業は消えた?