光源の位置や角度もそうだが被写体との距離、当て方の強弱もしっかり考えて使わないと不自然な写真になるので、レフを「入れる」「外す」を繰り返して効果を見極めよう。折り畳み式のレフ板では、表裏で白と銀になっていることが多い。銀のほうが強い光が得られるが、こちらも入れ替えて当ててみて効果を確認したい(イラスト/やまもと妹子)
光源の位置や角度もそうだが被写体との距離、当て方の強弱もしっかり考えて使わないと不自然な写真になるので、レフを「入れる」「外す」を繰り返して効果を見極めよう。折り畳み式のレフ板では、表裏で白と銀になっていることが多い。銀のほうが強い光が得られるが、こちらも入れ替えて当ててみて効果を確認したい(イラスト/やまもと妹子)
ストロボの光量を表す指標としてガイドナンバー(GN)がある。計算式を理解すれば使用するストロボと被写体との距離から適正露出となる絞り値を割り出せるようになる。なお仕様としてのガイドナンバーには必ずISO感度が併記される(イラスト/やまもと妹子)
ストロボの光量を表す指標としてガイドナンバー(GN)がある。計算式を理解すれば使用するストロボと被写体との距離から適正露出となる絞り値を割り出せるようになる。なお仕様としてのガイドナンバーには必ずISO感度が併記される(イラスト/やまもと妹子)
オーソドックスなフルマニュアルのストロボ撮影の一例。多灯ライティングでは、光量のバランス調整を繰り返す。以前はインスタントフィルムでのテスト撮影が不可欠だったがデジタルになりコストも時間も大幅カットできるようになった(イラスト/やまもと妹子)
オーソドックスなフルマニュアルのストロボ撮影の一例。多灯ライティングでは、光量のバランス調整を繰り返す。以前はインスタントフィルムでのテスト撮影が不可欠だったがデジタルになりコストも時間も大幅カットできるようになった(イラスト/やまもと妹子)

 被写体に当たっている光を意識できるかどうかで写真の仕上がりは大きく変わる。まず人は対象物に光が当たり、その対象物が反射した光を見ているということを理解しておきたい(電球など自発光しているものは除く)。

【適正露出=絞り値の計算式がわかるイラストはこちら】

 光はモノや空間を照らし、色や凹凸などの形を見せる。もととなる光、すなわち光源は太陽が基本で写真撮影もそれは変わらない。太陽光(自然光)のない夜間や光の届かない屋内などでは人工の照明器具がそれに代わり被写体を照らす役目を担う。その時にどのような種類と質の光をどのように使い被写体を見せるのか、考えてシーンを作り上げていくのがライティングだ。

■光の向きを知って、反射をコントロールする

 最も手軽で簡単に取り組める光のコントロールがレフ板を使うことだ。モデル撮影や撮影現場レポなどの記事で見た記憶のある人も多いだろう。白や銀色の板状のもので太陽光や照明光を反射させ、被写体に補助光として当てるのが一般的な使い方だ。

 形や大きさ、素材もさまざまだが、現在は大きく広がり小さく畳める布製のレフ板が人物撮影をはじめ、さまざまな撮影で主流となっている。テーブルフォト用などでは発泡素材の板を用いて使いやすいように自作する人も多い。

 レフ板の基本は逆光や半逆光ぎみの光線を反射させ、暗くなりがちな被写体正面に当てること。「レフを入れる」「光をおこす」といった言葉が使われる。反射させる光源の種類や強さなど、得たい効果に応じて反射面の素材や色などを使い分ける。被写体を明るくする以外にも人物写真の場合は瞳にキャッチライトを入れる目的でも使用する。

 いずれにせよ、光源との位置関係やレフ板の角度、被写体との距離などで効果も大きく変わる。当然、太陽などの光源と、被写体の位置関係によっては、効果が見込めないこともある。正しく使わなければカッコだけで終わることもある。また、後述する全ての照明とも組み合わせて使うことができるので、扱いを覚えておくに越したことはない。

■考えずに写る、TTL調光の便利さ

 クリップオンストロボについては、今さら説明の必要はないと思われるくらい一般的なカメラアクセサリーといえるだろう。

 純正であれば、基本的にTTLオート調光対応だから、カメラ任せで扱える。露出補正操作とほぼ同じ感覚で調光補正機能のプラスマイナス設定だけでストロボ光の効果の強弱を簡単に設定できる。太陽光とミックスして使う日中シンクロ撮影も容易だ。一般にストロボが使えるシャッター速度の上限は決まっているが、絞りを開けた高速シャッターでも同調するFP発光(ハイスピードシンクロ機能)を備えた機種も多く、ポートレート撮影などで活躍する。

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クリップオンストロボなら多彩なライティングが可能