“打てる捕手”の阪神・梅野隆太郎 (c)朝日新聞社
“打てる捕手”の阪神・梅野隆太郎 (c)朝日新聞社

 いよいよ来年に迫った東京オリンピック・パラリンピック。チケットの受付も開始され徐々に盛り上がりを見せているが、野球は次回のパリ大会では競技から外れることが決定的であり、侍ジャパンにとっては金メダルを狙う当面最後の大会となる。そこで今回は優勝を狙うために現時点でベストな布陣はどうなるのか、考えてみたいと思う。

 まずメンバーの人数は前回野球が行われた北京五輪と同じ24人とし、来季時点でメジャー・リーグの所属が予想される選手は除外した。具体的に除外したのは則本昂大(楽天)、菊池涼介(広島)、筒香嘉智(DeNA)、秋山翔吾(西武)の四人だ。それを踏まえて選んだのが下記の選手たちである。

・投手
菅野智之(巨人
千賀滉大(ソフトバンク
有原航平(日本ハム
今永昇太(DeNA)
大瀬良大地(広島)
岸孝之(楽天)
山本由伸(オリックス
宮西尚生(日本ハム)
山崎康晃(DeNA)
松井裕樹(楽天)

・捕手
梅野隆太郎(阪神
森友哉(西武)
小林誠司(巨人)

・内野手
山川穂高(西武)
山田哲人(ヤクルト
高橋周平(中日
坂本勇人(巨人)
松田宣浩(ソフトバンク)
中田翔(日本ハム)

・外野手
近藤健介(日本ハム)
丸佳浩(巨人)
鈴木誠也(広島)
柳田悠岐(ソフトバンク)
金子侑司(西武)

 まず投手は今回の日程、試合数を考慮した。予選リーグは3チーム総当たりの2試合で、決勝トーナメントはスムーズに勝ち上がると3試合で、敗者復活に回ると最大5試合となる。ポイントとなるのはやはり決勝トーナメントの3試合であり、その先発を任せる投手を菅野、千賀、有原の3人とした。イメージでは初戦を有原、準決勝を菅野、決勝を千賀というイメージだ。有原は今シーズン大きく飛躍した投手の一人。球数を少なく打たせてとって試合を作れるというのが何よりの長所である。菅野は今シーズンこそ苦しんでいるものの、実績と大舞台での強さを考えるとやはり外せない。そして決勝の舞台を任せたいのが千賀。前回のWBCでも圧倒的なピッチングを見せたが、当時から比べても全てにおいてスケールアップしている。最も勝つ確率の高い先発投手と言えるだろう。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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