「下段寝台の中央部分」は一つしかないので、2人利用の場合は、片方が背もたれなしとなるが、枕や毛布といった寝具があるので、それを背もたれ代わりにすれば問題はない。「下段寝台を座席状態にして、上段寝台を上に跳ね上げる」ことも可能で、この場合は高い天井により、大きな解放感が得られる。上段寝台を跳ね上げない場合は、上段と下段、それぞれの窓から景色を見比べられるというのも利点である。例えば高松行きの「瀬戸」で瀬戸大橋を通過する際には、上段からだと線路の下の海を楽しめる。

 「シングルツイン」の注意点は、コンセントの位置がわかりにくいということである。コンセントは上段寝台への階段部分にあるので、乗車時に確認するといい。

■予約の取りにくい「サンライズツイン」

 もう一つの2人利用可能な個室寝台が「サンライズツイン」である。「出雲」「瀬戸」各4室と設定が少なく、「サンライズ」で予約が一番取りにくい個室かもしれない。利点は「室内が広い」ことだ。床面積は3.8平方メートルで、前述した「シングルツイン」の1.9平方メートルよりも格段に広い。2人利用時の寝台料金は15,120円で「シングルツイン」よりも290円高くなっている。ベッド幅は75cmと、他のB寝台より5cm広くなっている以外、付帯設備は「シングル」と同等である。

 個室が「シングル」の階下室と同じ「窓の下縁とホーム高さが同じ」低い位置にあるため、乗り心地はいいが、眺望性はあまりよくない。また、昼間時も「座席状態」はないので、昼間も寝台に座ることしかできないのは「シングルツイン」との違いである。
 
 室内の広さとベッド幅がやや広いことで、子どもを連れた旅行向きと思う方もおられるだろうが、個人的にはあまりおすすめしない。筆者の息子が小学校低学年の時に、ベッド幅80cmの「ツインデラックス」で添い寝をしたことがあるが、80cmでも窮屈であった。子ども連れで添い寝をするなら先述した「シングルデラックス」の2室確保か、後述する「ノビノビ座席」を3区画確保した方が無理がないと考える。

次のページ
「ノビノビ座席」は寝台料金不要