日程問題は森保一監督の頭痛のタネになっていることだろう (c)朝日新聞社
日程問題は森保一監督の頭痛のタネになっていることだろう (c)朝日新聞社

 すでにポーランドで開幕している2019年U−20ワールドカップ(5月23日~6月15日)を皮切りに、5月~7月は3カテゴリーの日本代表が主要大会に参戦する。6月に入ると、東京五輪世代のU−22日本代表が出場するトゥーロン国際トーナメント(6月1日~15日・フランス)、A代表が6月上旬に挑むキリンチャレンジカップ2連戦(5日トリニダード・トバゴ戦、9日エルサルバドル戦)、同じくA代表が参戦する2019年コパアメリカ(6月14日~7月7日・ブラジル)と日程が重複。これによりメンバー編成がかなり難航したのだ。

 日本サッカー協会はU−20代表の主力だった久保建英(FC東京)と大迫敬介(広島)をA代表の2大会に回し、安部裕葵(鹿島)はコパアメリカのみ派遣するなど、有望な若手数人を上のカテゴリーに引き上げることで難局を乗り切る方針を固めた。

 だが、問題は指導者の方だ。

 U−22とA代表はご存知の通り、森保一監督が兼務している。しかしながら、トゥーロンとキリンチャレンジ、コパアメリカのスケジュールが重複しているため、同指揮官が全てを見るのは不可能だ。そこで、トゥーロンは横内昭展コーチに采配を任せ、森保監督はA代表を優先することになった。

 こうしたケースは昨年8月の新体制発足以降、頻繁に起きている。昨年11月を例に挙げると、A代表のベネズエラ(大分)・キルギス(豊田)2連戦とU−21代表のドバイカップが重複。今年3月もA代表のコロンビア(横浜)・ボリビア(神戸)2連戦と同じタイミングで、U−22代表がAFC・U−23選手権最終予選に出場した。この時も森保監督と横内コーチが手分けして2つのチームの指導に当たったが、「現状だと、東京五輪代表は『横内ジャパン』と言わざるを得ない状況だ」という批判的な声も関係者から聞こえてきているのだ。

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