先発投手ではロメロ(中日)が開幕からローテーションの一角に定着し、3勝3敗、防御率2.85と先発のコマ不足に悩むチームを救う役割を見せている。ロメロの最大の武器はスピードボールだ。最速160キロに迫るという触れ込みでも実際来日してみるとそこまでのスピードがないという投手は多いが、ロメロは毎試合150キロ台中盤のスピードをマークしており、前評判通りのパワーピッチングを見せている。5月2日の対巨人戦では3本塁打を浴びて6失点と崩れたが、それ以外の登板では試合をしっかり作っており、決してただ速いだけの投手ではない。スライダー、カットボールと速い変化球が中心のため打者はストレート待ちで対応しやすいのが課題となる。もっと緩急を使えるようになれば、スピードボールの威力は更に増してくるだろう。

 一方の打者は投手に比べると今のところ目立った活躍を見せている選手は少ないが、唯一規定打席をクリアしているのがブラッシュ(楽天)だ。開幕当初は引っ掛ける打球とフライアウトが目立ったが、徐々に日本の投手の攻め方に対応できるようになり、4月27日以降11本塁打と量産体制に入っている。右肘を高く上げる独特の構えでタイミングをとる動きは無駄が多く見えるが、スイング自体は比較的コンパクトなのが特徴。そのため、大柄な外国人選手が苦労する内角の速いボールは比較的上手くさばくことができている。ホームランとヒットの大半がレフト方向というプルヒッターで穴も少なくないが、現在任されている7番でこれだけ長打力がある選手がいるというのは、相手チームにとっては大きな脅威と言えるだろう。

 最後に今後の飛躍が期待できそうな新外国人選手を投手、野手それぞれ一人ずつ紹介する。まず投手はマクガフ(ヤクルト)を挙げたい。ここまでチームで2番目に多い22試合に登板し防御率は2点台ながら2勝、7ホールドと中継ぎ陣を支える存在となっている。投げ終わった後に体が一塁側に流れるフォームだが、リリースでしっかりボールを抑え込むことができており球筋は安定している。常時150キロ前後をマークするストレートと小さく変化するカットボールが持ち味で、いかにもセットアッパーらしい投手だ。気になるのはここ数試合の起用法。5月5日と11日は2回、15日の広島戦では3回とイニングをまたぐことが多くなっているのだ。失点は15日の広島戦のみだが、役割的にもあまり長い回を投げさせるのは得策ではない。故障者とベテランが多い中継ぎ陣だけに負担も大きくなっているが、長期的に考えた起用をすべきだろう。

次のページ
野手で今後に期待が望めそうなのは?