ママ医師が教える ”産後うつ”と貧血の意外な関係性とは?

連載「ちょっとだけ医見手帖(森田麻里子医師)」

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 日々の生活のなかでちょっと気になる出来事やニュースを、2人の女性医師が医療や健康の面から解説するコラム「ちょっとだけ医見手帖」。今回は、自身も1児の母である森田麻里子医師が、「産後うつと貧血」について「医見」します。

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 妊娠中から産後にかけての女性の死亡原因で最も多いのは、実は自殺です。国立成育医療研究センターの調査では、2015年から16年にかけて、102人もの妊産婦さんが自殺していたことがわかっています。非常にショッキングなデータです。
          
 自殺の大きな原因は、産後うつと考えられていて、妊産婦さんのメンタルヘルスは大きな問題になっています。産後うつを起こしやすい因子としては、以前にうつ病にかかったことがある、強い不安やストレスを受けている、社会的経済的サポートが弱い、などがわかっていますが、ほとんどは精神的・社会的な要因です。一方で、身体的な不調も精神状態に影響を与える可能性がありますが、どんな要因が産後うつのリスクになるのかは、まだはっきりとはしていません。

 そんな中、国立成育医療研究センターのグループは4月、出産から数日後の血液検査で貧血があることが産後うつのリスクになるという研究結果を発表しました。この研究では、約1000人の妊婦さんを対象に、産後1カ月の時点で産後うつのスクリーニングテストに回答してもらいました。日本では、このテストの点数が9点以上だと産後うつの可能性が高いと判定されます。その結果、出産後4~6日の血液検査で貧血だった女性は、そうでなかった女性に比べて点数が9点以上の割合が高く、そのオッズ比は1.63倍でした。この研究での貧血はヘモグロビン濃度10グラム以下と定義されていますが、ヘモグロビン濃度が9.2~10.1と軽度の貧血であったグループでも、産後うつの割合が増加していました。

 海外でも、同様の報告は、少ないながらもいくつか存在するようです。例えば14年にサウジアラビアから発表された論文があります。産後の女性352人を調査したところ、産後に貧血があった女性は、そうでない女性に比べて産後うつの可能性が高いと判定された割合が高く、オッズ比は1.7倍でした。

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