今日はどんな顔? 福山雅治 (c)朝日新聞社
今日はどんな顔? 福山雅治 (c)朝日新聞社

■3年ぶりのドラマ、50歳で勝負に出た理由

【写真】もっと見たい!福山雅治

 最終話で視聴率42.2%を記録したドラマ「半沢直樹」(2013年)が登場して以降、TBSの金看板として輝きを放ち続ける日曜9時の日曜劇場枠で、福山雅治(50)が新境地を開拓しようとしている。

 福山が主演する「集団左遷!!」は、バブル入行組の銀行マンの悲哀を描き、窮地に追い込まれた支店のメンバーが“顔芸”を駆使しながらピンチを乗り越えるさまは、非常に半沢直樹的でもある。そんな、「高視聴率獲得を託された」ドラマにおいて、主演俳優の福山はどのような評価を得ているのか? テレビ情報誌の編集者は次のように語る。

「視聴率は初回こそ13.8%と善戦したものの、2話で1桁に落ち、その後は低空飛行が続いています。今年50歳を迎えた福山さんは、『半沢直樹』に追いつけ追い越せ精神で相当頑張っているようで、ドラマが始まる前に相当な数の取材を受けていました。現場でも福山さんが主演した大河ドラマ『龍馬伝』の盟友、香川照之さんや、所属事務所の後輩である神木隆之介さんとのコンビネーションもばっちりなようで、和気あいあいとやっているそうです。今回の福山さんは今までにやったことのない、どこか情けない中間管理職という設定。それを、『日曜劇場』ならではの顔芸で喜怒哀楽をしっかり演じ切り、何かがあるととにかく走りまくり、全力で挑んでいます。同世代のサラリーマン視聴者にはかなり好感が持てる仕上がりになっていると思います」

 イケメン歌手で、イケメン俳優というのが、福山雅治が放つ最大のイメージだが、本作では打って変わり「今まで見たことがない福山」を目にすることができる。まさに新境地を絶賛開拓中の福山だが、彼がそうせざるを得ない事情もあるとか。

「本職はシンガーソングライターであり、今もライブをすれば即完売するほど人気のアーティストなので、本来ならそこまで俳優業をする必要もないと思うんです。しかし、福山さんは常にそこで立ち止まれない人。50歳を迎え家族ができても守りに入ることもなく、むしろ攻めていたい人なんです。そもそも連続ドラマも最近では3年に1回程度のサイクルでしか出演していませんが、前回の主演ドラマ『ラヴソング』の評価が芳しくなかったことや、主演映画『SCOOP!』や『マンハント』も興行的に苦戦を強いられたため、今回ばかりはどうしても当てたいはず。その意気込みがあの顔芸にも表れていると思います。SNS上では『福山の顔芸がサムイ』『福山に情けない役は似合わない』といった声もあるそうですが、その辺の俳優にはできないレベルの難しい芝居をしっかりやり遂げていると思いますけどね。あの福山が情けない銀行員役というだけで、企画としては勝っていると思います」(前出のテレビ情報誌の編集者)

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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