取引価格ランキングには2位以下にもヤンキースの強打者ミッキー・マントルや、ベーブ・ルースが投手時代のカードなどが歴史あるレア物がずらり。変わり種としては、印刷ではなく手書きのタイ・カッブのカードや、文字のつづりを間違えたミスカードなどもある。ちなみに古いカードは保存状態の良いものほど高値が付き、同じ絵柄で値段に大差がある場合はこれが理由のことが多い。

 日本のプロ野球選手を題材としたカードも、もちろん存在する。ただし、カード市場自体がアメリカとは比較にならないほど小規模であることから、億単位はもちろん100万円に届くこともほぼないというレベルのようだ。

 レアカードでは、1973年の基満男と東田正義(太平洋クラブ)のツーショットカードが有名で、現存が確認されているのは10枚ほど。それでも30万から50万円だという。その一方で現在注目が高まっているのは、大谷の日本ハム時代のカード。国内だけでなく海外のメジャーリーグファンからも人気を集めている大谷に関するカードとあって、ネットオークションでは1枚50万円を超える高値が付いた例もある。

 前述のゲレロJr.の例もそうだが、現代でもカードの売り上げや値段は選手の人気や注目度のバロメーターとして機能している。彼らが歴史に残る名選手として活躍すれば、数十年後にはルーキーカードなどが注目されるようになっている可能性もある。発行枚数が多く、保存意識も高まっているので高値は付かないかもしれないが、それでなくともファンにとっては思い出の品となるのは間違いないだろう。カードを手に入れた方たちは選手たちの活躍の記憶と共に大事に保存してもらいたい。(文・杉山貴宏)