メディアで発信力が高い大学教員がいる。明治大教授の齋藤孝は『声に出して読みたい日本語』を著した。青山学院大教授の福岡伸一*は『生物と無生物のあいだ』がベストセラーになった。2人はテレビにもよく出演する。東京大教授の本郷和人は日本史関連で昨今、多くの書物を出している。慶應義塾大教授の福田和也、立教大教授の香山リカ、京都大教授の佐藤卓己、日本大教授の広田照幸*なども天皇世代だ。オピニオンの世界では、元外務省主任分析官の佐藤優が時代を読みとく。

 メディアへの登場が旺盛な灘高校同級生1960年生まれトリオ、いわば天皇世代トリオがいる。勝谷誠彦(コラムニスト)、和田秀樹(精神科医)、中田考(イスラム学研究者)だ。前警視総監の吉田尚正、元広島県警察本部長の宮園司史といった警察官僚も、勝谷らと同級生だった。昨年11月の勝谷の病死が惜しまれる。

 作家もバラエティーに富んでいる。芥川賞作家には目取真俊、多和田葉子がいる。目取真は辺野古基地反対運動で身柄を拘束されたことがある。直木賞作家には石田衣良、宮部みゆき、朝井まかて*、奥田英朗*がいる。ほかにベストセラー作家には綾辻行人、小野不由美、新井素子、天童荒太、佐伯一麦*、久美沙織*、柴田よしき*、長野まゆみ*、二階堂黎人*など。

 脚本家で活躍しているのが中園ミホ*で、「Doctor-X 外科医・大門未知子」シリーズや「西郷どん」「花子とアン」を書き下ろした。田渕久美子*も「篤姫」「江~姫たちの戦国~」といったNHK大河ドラマを手がける。

 漫画家にはヒットメーカーがそろう。高橋陽一の「キャプテン翼」は、元フランス代表・ジダンも愛読したといわれている。荒木飛呂彦の「ジョジョの奇妙な冒険」は長きにわたって連載し、シリーズ総計124巻を数えている。きうちかずひろは「ビー・バップ・ハイスクール」で昭和のツッパリ、ヤンキーを描いていた。浦沢直樹は「20世紀少年」で1970年の大阪万博に触れ、同世代の哀愁を誘った。

 内田春菊*の「南くんの恋人」はテレビドラマ化されており、小説『ファザーファッカー』では直木賞候補になった。片山まさゆき*は明治大漫画研究会出身で麻雀漫画の雄となり、「ぎゅわんぶらあ自己中心派」「スーパーヅガン」が有名だ。細野不二彦*は「さすがの猿飛」で子どもたちのハートをつかんだ。

 庵野秀明はアニメーター、映画監督として活躍し、「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズなどを手がけている。

 画家の奈良美智*も忘れてはならない。彼の作品は世界中から常に注目されている。

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