■SNSで発信せずミステリアスな部分も

 ドラマウォッチャーの中村裕一氏は、女優としての長澤まさみの魅力についてこう分析する。

「シリアスからコメディ、原作モノからオリジナル、現代劇から時代劇とどんなジャンルの作品にも幅広く柔軟に対応できる適応力が素晴らしい。キャリアが長く、抜群の安定感がありますが、これから30代の彼女ならではの魅力がどんどん増していき、女優としても脂が乗ってくる時期でもあるので、どんな役を演じてくれるのか非常に楽しみです。勝手な願望ですが、いつか事務所の先輩でもある沢口靖子から役を受け継ぎ、2代目『科捜研の女』として活躍する姿も見たかったりもします。今の時代はSNSでプライベートを積極的に発信し、ファンとの距離を近づけるのも一つのアプローチですが、彼女の場合、あまり細かく発信しておらず、どこかミステリアスな部分を残している。そこが女優という肩書きがふさわしいと言える所以でもあると思います。唯一無二の最強の女優として息の長い活躍を続けてほしいですね」

 一方、別の視点から長澤まさみの「美の秘訣」について語るのは女性ファッション誌の美容ライターだ。

「雑誌のインタビューで美をキープする食事法を聞かれると、『我慢せずに好きなだけ食べて、消化をよくすること』と答えていました。グルテンフリーの生活をしているわけではないそうですが、グルテンを取らないほうが調子がよいそうで、パンはほぼ食べないと語っていました。30代になってからは自炊もよくしているとも明かしており、和食が多く、特に煮物はよく作るそうです。丁寧に暮らすことで、自然体でいられるようになったと話していました。飾らないナチュラルな長澤さんの魅力は、そんな暮らしぶりから作られているのでしょうね」

 女性誌の取材に「若さに捉われることは、あんまりしたくない」「ちゃんと歳相応に生きていきたい」(「FRaU」2018年2月号)と語っていた彼女。美に固執しすぎることなく、自然体でいること。それが逆に彼女の美しさを最大限に引き出しているのかもしれない。(高梨歩)

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高梨歩

高梨歩

女性ファッション誌の編集者など経てフリーライターに。芸能やファッション、海外セレブ、育児関連まで、幅広いジャンルを手掛ける。活動歴は約20年。相撲フリークの一面も。

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