その翌年、2010年のセ・リーグを制した中日には、高橋聡文、浅尾拓也、岩瀬仁紀の3人「TAI」がいた。落合博満監督が率いたチームの中で、高橋が63試合で31ホールド&防御率1.61、浅尾が72試合で47ホールド&防御率1.68、岩瀬が54試合で42セーブ&防御率2.25の鉄壁ぶりで、浅尾の47ホールドはNPB新記録。さらに翌2011年もリーグ連覇を果たし、浅尾は79試合で45ホールド&防御率0.41の圧巻のピッチングで、中継ぎ投手ながらリーグMVPに輝いた。

 原辰徳監督の下、2012年からリーグ3連覇を果たし巨人には、山口鉄也、スコット・マシソン、西村健太朗の3人が勝利を支えた。その2年目にあたる2013年は、山口が64試合で38ホールド&防御率1.22、マシソンが63試合で40ホールド&防御率1.03、西村が71試合で42セーブ&防御率1.13と3人が完璧に機能。一部で「スコット鉄太朗」と呼ばれたが、アニメ「とっとこハム太郎」のイメージとスタイリッシュさを欠いて呼称に関しては完全定着しなかったが、チームへの貢献度は誰もが認めるところだった。

 その後、2015年にリーグ優勝したヤクルトの中では、ロマン、オンドルセク、バーネットの外国人リリーフトリオが奮闘。25年ぶりのリーグ優勝を果たした2016年の広島においては、ジャクソン、ヘーゲンス、今村猛、中崎翔太の4人の救援陣が大きな役割を果たした。長く険しいペナントレースにおいて、この「勝利の方程式」を有して安定しているチームと、不安定で確立できずにいるチームでは、その戦い方が大きく変わってくる。特に先発投手陣に疲労の色が見えてくる夏場以降は、より重要性が増す。それまでにチームとしての勝ちパターンを見つけること、「勝利の方程式」を確立されることが、優勝への近道と言えるだろう。