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メダル獲得に黄信号? 中田ジャパンの苦難と課題

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元川悦子dot.
全日本女子バレーの中田久美監督 (c)朝日新聞社

全日本女子バレーの中田久美監督 (c)朝日新聞社

 かつて「天才セッター」と言われた中田監督がそう語ったように、そこは全日本女子浮上の最重要ポイントになりそうだ。指揮官は2019年度登録メンバーに5人のセッターを抜擢。13日からのモントルーにも、2016年リオデジャネイロ五輪のレギュラーだった24歳の宮下遥(岡山シーガルズ)、2017年FIVBバレーボール・ワールドグランプリ出場実績のある29歳の佐藤美弥(日立リヴァーレ)、2018年春に高校を卒業したばかりの19歳の関菜々巳(東レアローズ)の3人を帯同させることにした。

 とりわけ、注目されるのが関だ。170cm・58kgと決して恵まれた体躯とは言えないが、「意表を突くトス回しをする新星」と関係者も評する逸材である。中田監督も「若いながら18−19Vリーグで活躍した関を戦力にできるかどうかは1つの大きなテーマ。ミドル(ブロッカーを)積極的に使える選手」だと中田監督が名指しで期待を口にしたほどだ。かつて自身も山田重雄・元全日本女子監督に才能を見出され、15歳で全日本入りし、18歳で84年ロサンゼルス五輪銅メダル獲得の原動力になっているだけあって、指揮官は若手の抜擢を厭わない。昨年急成長した黒後もそうだが、フレッシュな力の台頭がなければ、バレー名門復活は叶わないだろう。

 実際、1980年代以降の全日本女子の歩みを振り返っても、メダルを獲得したロスには中田監督、ロンドンには竹下佳江(ヴィクトリーナ姫路監督)といった名セッターがいた。平均身長が低く、パワーやスピードでは世界のライバル国より劣る日本が東京五輪メダル獲得という一大目標を果たそうと思うなら、荒木の言うように多彩な戦い方を身に着けるしかない。その司令塔であるセッターの大役を誰が担うのか。そこが東京五輪での「バレー・ニッポン」復活の生命線になりそうだ。(文・元川悦子)


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