それって本当に必要? プロ野球で蔓延する“メジャー追随”に待った! (2/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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それって本当に必要? プロ野球で蔓延する“メジャー追随”に待った!

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杉山貴宏dot.
フェイスガードもメジャーから日本に“輸入”された物の一つ (c)朝日新聞社

フェイスガードもメジャーから日本に“輸入”された物の一つ (c)朝日新聞社

 フライボール革命についてもう少し掘り下げると、少年時代に「打ち上げ厳禁!」の指導を受けて育ってきた選手たちには「狙って打ち上げろ!」という打撃がなじみにくいというのはあるかもしれない。そもそもホームランだけを狙う純粋な(あるいは単純な)大砲タイプの打者が日本人には少ないということもあるだろう。こうした土壌のある日本では、イチローの言うとおりアメリカの野球に追随してフライボール革命を起こす必要はないとも言える。

 今後、メジャーリーグから日本のプロ野球への伝播がありそうなもので、個人的にこれはまねる必要がないのでは……と思うのは、「投手は打者3人と対戦しなければ交代できない」という「3バッターミニマム」と、「投手は捕手からボールを受け取って20秒以内に投球動作に入らなければならない」という「ピッチクロック(20秒ルール)」がある。

 前者はワンポイントリリーフの事実上の廃止であり、特に一人一殺を仕事にしてきたシチュエイショナルレフティと呼ばれるリリーフ左腕たちには文字通りの死活問題だ。継投などの戦術面はもちろん、チーム編成にも大きな影響を及ぼすのは必至で、少なくない投手たちが選手生命の危機に陥るだろう。

 監督の仕事で最も難しいのは投手交代のタイミングだと言われることもあるように、継投は野球の中でも相当に頭を使う要素だ。ファンの中にも「次の打者は左だから、ここでワンポイントにあのサウスポーを使って、そこを抑えたら右投げのあの投手を……」などと監督気分で観戦する方も多いはず。継投のタイミングを縛ることは、こうした楽しみが失われることを意味する。

 ピッチクロックは、近年のメジャーリーグが躍起になって進めている試合時間短縮策の一環。日本に比べるとテンポよくポンポン投げる印象のあるメジャーリーグではあるが、やはり各投手には個々の投球リズムというものがあり、走者をけん制するためにセットを長くするといった駆け引きも存在する。この案に関してはさすがに現役投手からの反発はすさまじく、少なくとも2022年までは導入を見送ることが決まった(3バッターミニマムは2020年まで導入延期)。


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