退職を決意した医師が明かす リアル「白い巨塔」の真実 (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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退職を決意した医師が明かす リアル「白い巨塔」の真実

連載「現役皮膚科医がつづる “患者さんと一緒に考えたいこと、伝えたいこと”」

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大塚篤司dot.#病院
大塚篤司/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員を経て2017年より京都大学医学部特定准教授。皮膚科専門医

大塚篤司/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員を経て2017年より京都大学医学部特定准教授。皮膚科専門医

※写真はイメージです(写真/getty images)

※写真はイメージです(写真/getty images)

 テレビ朝日開局60周年記念ドラマスペシャルとして、5夜連続で放送中の「白い巨塔」。山崎豊子の同名小説が原作で、小説は1960年代に執筆されています。舞台となっている大学の医局は、いまどうなっているのでしょうか? 京都大学医学部特定准教授の大塚篤司医師が、現代の医局について語ります。

*  *  *
 私は覚悟を決めて教授室に足を踏み入れました。

「失礼します」

 応接間にある革張りのソファの横で背筋を伸ばし、教授が奥から現れるのを待ちます。

 スーツの内ポケットに忍ばせた辞表届が鼓動とともに震えているのがわかります。

 デスクからゆっくりと現れた教授は早口で一言。

「じゃあ、大塚くん。〇〇先生のところに移って」

 え?

 大学病院には白い巨塔と呼ばれる組織があります。医局と呼ばれるものです。医局には多くの医師が在籍します。教授を頂点に、准教授、講師、助教といわゆるスタッフの医師がいます。医局を代表する教授は1人ですが、准教授や講師は数人いることがあります。助教も何人かいます。医局長は、教授以外のスタッフが併任で担当します。スタッフの下には、医員と呼ばれる医師や、大学院生、研修医など数多く存在します。

 医局員は大学病院の中だけにいるのではありません。関連病院とよばれる、医局から医師を派遣している病院がいくつも存在します。一般的には、大学病院がある都道府県内に関連病院がありますが、大都市の大学病院となると違います。都道府県を越えて、都会から田舎まで広い範囲で関連病院が存在します。

 医局は会社とは全く違います。私が医局に入るとき、契約書にサインをした記憶がありません。大学病院を離れ地域の関連病院に修業に出た際も医局に所属していましたが、なにも契約のない状態でした。医局からお給料が出ることも当然ありません。ただ所属している。医局とはとても不思議な集団です。


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