VTuberに話を戻すと、起用する企業としては不祥事やスキャンダルのリスクが少ないというのもメリットだろう。ここ最近、人気タレントやミュージシャンに関連する事件が次々と報道され、事務所はもちろんスポンサーも対応に追われている。もちろんそういった事例はレアケースではあるものの高額な契約料、出演料を払う側からしたら心配する気持ちはゼロではないはずだ。その点コントロールがしやすいVTuberであれば想定外のリスクは大きく減る。


 
 一方で、VTuberの隆盛に比例してキャラクター設定や差別化はなおさら重要になると予想される。2019年2月時点でVTuberの数は7,000人を突破したというが、名前と顔が一致するVTuberは果たして何人いるだろうか? 注目が集まっているということは当然競合環境も熾烈ということだ。「なんだか流行っているし、若者にアプローチしたいからうちもVTuberを……」と思っても、成功するのは一握り、ということは肝に銘じておいた方がよさそうだ。

■CM総合研究所/1984年設立。「好感は行動の前提」をテーマに、生活者の「好き」のメカニズム解明に挑戦し続けている。平成元年から毎月実施しているCM好感度調査をもとに、テレビCMを通じて消費者マインドの動きを観測・分析しているほか、広告主である企業へダイレクトにコンサルティングを行い、広告効果の最大化および経済活性化の一助となることを目指す。