苦しい戦いが続いている石川遼 (c)朝日新聞社
苦しい戦いが続いている石川遼 (c)朝日新聞社

 平成時代に生まれたスーパースターの一人、石川遼が苦戦している。令和時代に突入したが、その出口も見えていないように見える。

 石川は、2013年から本格参戦していた米ツアーを一昨年撤退して、昨年は国内に主戦場を戻した。選手会長との二足のわらじという難しい立場ではあるものの、それまでの輝きを取り戻すことはできず、見せ場は最終戦のゴルフ日本シリーズJTカップで2位タイとなったことくらい。賞金ランクも22位に終わった。

 期待された今年は、SMBCシンガポールオープンで47位タイとなり、その後、欧州ツアーのISPS HANDAヴィックオープンとメイバンク選手権に出場したものの、ともに予選落ち。ツアー外競技の日神カップ千葉オープンで連覇を果たしたが、開幕直前に開催されツアーに弾みをつけたかった岐阜オープンで1打及ばず決勝ラウンド進出を逃した。

 そして、開幕戦の東建ホームメイトカップを腰痛で欠場すると、ゴールデンウィーク中に行われた中日クラウンズの初日に1オーバー81と大叩き。このラウンドですでに腰の痛みを訴えていたが、結局、翌日朝には棄権する羽目になった。

 腰の状態は芳しくないようで、石川は9日からのアジアパシフィックオープン選手権ダイヤモンドカップも出場申請を取り消し。報道によれば復帰の見通しが立っていないということで、復活の前に、まず故障の完治に努める必要がある。

 このような状況で、石川の復活云々を言うべきではないのかも知れない。それでも、石川復活のカギとして、あえてここで語るのであれば、それはゴルフの取り組み方に対する思考回路を変えるということなのではないか。そして、その第一歩となるのは、信頼できるコーチを雇えということだろう。

 2007年のあの「ハニカミ王子」フィーバーからこれまで、石川には専属のコーチがいない。スイングについては、過去にも幅広く意見を聞いてきたようだが、基本的には「一人の練習が好き」ということで、コーチというパートナーはいなかった。

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欠かせないスイングコーチの存在