同じセ・リーグでは福谷浩司(中日)も面白い。2014年に11セーブ、32ホールドをマークしてから成績は下降線をたどっているが、5月6日の対広島戦ではプロ入り初先発で6回を1失点と好投を見せた。この登板の時も中盤に制球を乱す場面があり、先発では盤石という感じはしなかったが、序盤は力のあるストレートで抑え込むピッチングが光っていた。短いイニングということであれば、150キロを超えるストレートの威力は更に増す可能性が高い。また、緊迫した場面のリリーフで見せた精神的な弱さも、先発では払しょくされるという期待感は十分にあるだろう。

 パ・リーグではいずれもかつてのドラフト1位である吉田一将(オリックス)と高橋純平(ソフトバンク)の二人を推したい。吉田はプロ入り3年目の2016年から本格的にリリーフに転向したものの、年々成績を落としており、今年もここまで防御率は5点台と苦しんでいる。191cmの上背はあるもののスリークォーターの腕の振りで、どちらかというとコーナーを突いて打たせてとる投球が持ち味だ。試合終盤の勝負所で起用するには圧倒的なボールがなく、また長いイニングを投げて打者に慣れられると辛いタイプだが、先発で3回を1失点くらいの仕事はこなせるだけの安定感は持ち合わせている。プロ入り一年目に先発で5勝をマークした実績があることも心強い。高橋は2015年のドラフトで高校ナンバーワン右腕として注目され、3球団から1位競合の末ソフトバンクに入団したが、ここまでは分厚い選手層に阻まれて昨年までわずか1試合の登板にとどまっている。今シーズンは5月1日にようやく初登板を果たし、敗戦処理ながら3回を投げて無失点と結果は残した。コントロールに不安は残るものの、スピードは150キロ前後をマークしており素材の良さは一級品である。敗戦処理から次のステップアップとして、オープナーとしての起用を検討しても面白いだろう。

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試したら適正がありそうな巨人の上原