田村耕太郎さん
田村耕太郎さん
食事のマナーも世界さまざま(写真はイメージです)   (c)朝日新聞社
食事のマナーも世界さまざま(写真はイメージです)   (c)朝日新聞社

「アホとは戦うな。時間の無駄である」と提唱する、元政治家であり、現在はシンガポール・リークアンユー政治大学院で教鞭を執る田村耕太郎さん。しかし、シリーズ75万部を突破した著書『頭に来てもアホとは戦うな!』の読者からは、「それでも戦ってしまう……」と多くの悩みの声が寄せられているという。

 日々の仕事・暮らしの中で「アホ」に悩んでいるあなたに、ちょっとでも気持ちが楽になるヒントを田村さんが提案する連載「アホから解放される相談室」。今回は「そしゃく音がうるさい人」について。
 

*  *  *

【相談】

 職場の席の近くに、そしゃく音がうるさい人がいます。

 私のオフィスは比較的自由で、食事やおやつなども席でとる人も多いのですが、その人の「クチャクチャ」「ペチャペチャ」という音が気になって、どうにかなってしまいそうです。

 そしゃく音だけではありません。すすり音もすごく、カレーなども「ズッ」っとすすって食べるのです。もちろん、蕎麦やラーメンなどの麺類や、味噌汁などの熱い液体ならすするのも理解できます。
 
 なぜ、カレーをすするのでしょうか。理解に苦しみます。

「クチャクチャ」と「ズズッ」のダブルパンチです。

 本人は自分がうるさいことに気がついていないようで、この人を傷つけずに、やんわりと伝えるにはどうしたらいいでしょうか。

■指摘して、直る人かどうか?

 まずは、気にしないことです。その人が言って態度を変えるような人であればよいのですが、そうでない場合、逆にムキになられたり嫌われたりして、他の面倒が起こる可能性もあります。それはそれで、賢明ではないと思います。

 ですので、注意することが相手の態度を変えるという確信がよほどない限りは、忠告せずにこちらがかわしていくことをお勧めします。
そのための第一歩は、物理的に音が耳に入らないようにすることです。
例えば耳栓をされてはどうでしょうか。または、環境が許すのであれば、お気に入りの音楽をかけたり、ヘッドフォンをしたりしてもいいかもしれません。難しければ、席を外されたり外の公園でお弁当を広げられたり、移動をするのも一つの手です。

 とはいえ、どうしても何か一言言いたくなってしまいますよね。例えば、こんな言い方はいかがでしょうか。「口を閉じてしっかり噛む方が消化にいいし、あごの関節をしっかり動かせて脳に血流が良くなって、頭も良くなりますよ」と、相手を気遣う言い方です。
さりげない会話の時に指摘してあげるとよいでしょう。
 

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田村耕太郎

田村耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)/国立シンガポール大学リー・クアンユー公共政策大学院兼任教授。ミルケン研究所シニアフェロー、インフォテリア(東証上場)取締役、データラマ社日本法人会長。日本にも二校ある世界最大のグローバル・インディアン・インターナショナル・スクールの顧問他、日、米、シンガポール、インド、香港等の企業のアドバイザーを務める。データ分析系を中心にシリコンバレーでエンジェル投資、中国のユニコーンベンチャーにも投資。元参議院議員。イェール大学大学院卒業。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。著書に『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』(マガジンハウス)、『野蛮人の読書術』(飛鳥新社)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(朝日新聞出版)など多数

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